100%肯定ルール「塩尻朝活」

「大人に夢を、子どもに未来を」のスローガンの下、オンラインや対面で週に1回開いている「塩尻朝活」。毎回、10人ほどが集まり、漠然とした夢、具体的にやりたいこと、日頃思っていることなどを何でも言い合う。
ルールは1つ「100%肯定する」。大人になると、現実が見えたり否定されたりするのを恐れ、夢を語りづらくなりがち。そうした心配なく、誰もが受け入れられ、自分の意見を言える「安心安全な場」を目指す。
主宰するのは会社員の三澤康弘さん(38、塩尻市広丘野村)。子どもの頃に経験した両親の離婚などつらい体験から一歩踏み出し、夢を持って自分の子どもに明るい未来を見せられるように─。そんな思いで始めた「朝活」を全国に広げたいと奔走する。

受け入れられる心地よさ感じて

「73回目の塩尻朝活へようこそ」。今月上旬の朝9時、塩尻市広丘堅石のふれあいセンター広丘に、三澤康弘さんの明るい声が響いた。
最初に1分間目を閉じて、自分の心身の状態を感じる瞑想(めいそう)のような時間「ビジュアリゼーション」を過ごす。思考がクリアになってきたところで、思い描く夢や、気づきなどを1人ずつ発言する。
「目を閉じると、野原で子どもたちが走り回っている姿が見えてきた。子どもたちが安心して暮らせる場所を作りたいし、虐待で亡くなる子どもをなくしたい」と語り掛ける三澤さん。夢の大小は問わず、早起きを目標にして達成したら新しい体験ができた|といった発言もあった。
発言者の話に真剣に耳を傾け、話が終わると、親指を立てた「イイね」のサインで応援する。親が語る脇で、子どもが楽しそうに走り回る。曲に合わせての楽器演奏も毎回恒例で、最後に感想や決意を述べて、和やかに会は終了した。
夫と子どもと一緒によく参加するという郷津美佳さん(37、広丘郷原)は「いろいろな人の夢や意見を聞けて勇気をもらうし、視野も広がる。何より、全面的に受け入れられ、承認される感じがうれしい」と話す。

虐待防止にも力充実した日々を

朝は苦手で、週末の朝はだらだらと過ごすことが多く、そんな自分を変えたかったという三澤さん。2018年から実施されている同様の催し「安曇野朝活」に刺激を受け、運営方法などを学び、昨年5月から塩尻でも始めた。
岡谷市出身。中学生の時に親の離婚を経験した。人と接するのが怖く、漠然とした生きづらさを抱えていたという。高校で吹奏楽部に入部、コントラバスに出合い、「言葉を発しなくても通じ合え、交流できる」音楽の素晴らしさを実感。大学はカナダに留学し、社会人になってからはセミナーなどを通し、少しずつ自分を変えていった。
自身も結婚し2児の父親になると、児童虐待問題の深刻さに気付くようになった。自分にできることはないか|。そう思い、昨年からオレンジリボン運動と共催する形で塩尻市内でコンサートを開くなど、虐待防止の啓蒙(けいもう)にも力を入れている。
音楽から人と交流する温かさを知り、さらに夢を語り合える仲間にも囲まれ「今はとても充実している」と三澤さん。8月に立ち上げた「日本夢活協会」を社団法人化して全国に活動を広げたり、塩尻で子どもの居場所づくりもしたい|。朝活の場で語った「夢」に一歩ずつ近づいていきたいと考えている。
詳細はフェイスブック(「塩尻朝活」で検索)で。