木曽ペインティングス 空き家など会場、光も作品の一部に

加藤優奈さん「ゾォ」(薮原・新大坂屋) かつてここに暮らしていた3姉妹のおもちゃと、加藤さんの作品が混在する部屋。古いものに命が吹き込まれ、三姉妹の営みや思いが感じられる

木祖村と木曽町の計3地区で11月7日まで、芸術祭「木曽ペインティングス」が開かれている。空き家などを会場にし、かつてそこに暮らしていた人々の思いなど、目に見えない“何か”をアートの力で表出させる試み。今回は、この時季の木曽谷が昼から夜へと移り変わる「午後3時」の光の下での鑑賞を想定した展示も。作品の一部を紹介する。
5回目の今年は、全国から29組37人のアーティストが参加。主会場は、かつて中山道の宿場「薮原宿」があった木祖村のメイン通り。車での来場者は、近くの村役場の駐車場(無料)を利用し、ゆっくり巡りたい。
薮原では「千年のすみか」をテーマに、空き家7軒と空き地1カ所で、17の個人・団体の作品が展示されている。空き家に残っていた日用品とアーティストの作品が融合し、かつてそこに住んでいた人びとの営みが立ち上ってくるような作品が多い。
今回新たに、同村の小木曽地区でも「三時の光」をテーマに4カ所で展示。晩秋の1日の最後の光が、小屋や土蔵などに展示したアートを浮かび上がらせ、独特な世界が広がる。
「山に日が沈む一瞬の時間を、作品と一緒に共有してほしい」と、芸術祭の代表者で、小木曽会場で自作を発表する岩熊力也さん(52、木曽町日義)。
コロナ禍で昨年は規模を縮小して開き、通常開催は2年ぶり。岩熊さんは「中山道の中間地点の木曽で、ずっと続いてきた東西の文化の交わりが、コロナで途切れたような感覚になった」とし、「過去1000年間に営まれてきた生活や文化を、アートの力でこれからの1000年につないでいかれたら」と力を込める。
鑑賞は一部の会場を除き無料。午前10時~午後4時。問い合わせは事務局TEL050・3700・5277