鍼灸で女性に元気を

灸(きゅう)活、おうちお灸、お灸女子…。家庭で気軽にお灸をする人が増え、こんな言葉も生まれるなど、近年、はり・きゅうが見直されている。出張講座を開くなど精力的に活動し、安曇野市豊科南穂高で女性専用鍼灸(しんきゅう)院を運営する「ナッラーレ鍼灸あづみ野」の齋藤恵美子院長に話を聞いた。
10月、松本市今井地区福祉ひろばで、齋藤さんを講師に招き、「ここから始めるお灸講座」が開かれた。参加者は、齋藤さんから東洋医学について話を聞き、チェックシートで自身の体質や心身の状態を確認。セルフケアの方法を教わった。
齋藤さんは静岡県出身。1994年にはり師・きゅう師の資格を取得。福祉関係の仕事をしたいと考え、登録していた長野県福祉人材センターから介護施設を紹介されて移住、施設や訪問看護ステーション、デイサービスなどでリハビリの仕事をしてきた。
自身も介護離職経験がある齋藤さん。「超高齢化社会は、まずは女性が元気であることが大切」。そう考え、2018年6月に「女性の明日の元気をお手伝いしたい」と、同院を開業した。はり・きゅうは、施術の際に肌を広く露出する。このため「安心して受けてほしい」と施術する側も含めた女性による女性のための院にした。
「ナッラーレ」は、ラテン語で「物語ること」の意。病気や症状を抱えるまでにはその人だけの物語があり、それを治療する人に語ることが治すのにも役立つ|という考え方に基づき、名付けた。齋藤さんも初回にじっくり時間をかけてカウンセリングした上で施術する。
院での施術や出張講座では、ツボの探し方やおきゅうの方法に加え、自宅でのセルフケアの大切さ、その人に必要な体操やストレッチなどもアドバイス。「症状もニーズも人それぞれ」と齋藤さん。それぞれの「物語」を聞きながら、疲れた女性たちの体を癒やしている。