東京ルポ 信州のローカルフード 大人気“牛乳パン”

東京でも愛される懐かしい味

東京・銀座の「中心地」4丁目交差点にほど近い場所にある長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」(中央区)。信州人にはおなじみの牛乳パンが、ほぼ連日完売状態となっている。
県内各地の牛乳パンを日替わりで並べて販売。中でもトラットリアフォルツア(安曇野市豊科高家)の牛乳パンが好評という。
扱い始めたのは2016年4月。商品構成担当のチーフマネジャー濱名祐子さん(56)が、長野市出身の同僚から「牛乳パンをここで販売したらどうでしょう」と提案されたのがきっかけだった。
最近、テレビ番組で取り上げられたこともあり、松本市の老舗パン店も注文販売で対応するなど、人気急上昇の牛乳パン。ローカルフードから大きく羽ばたき、東京でも息の長い売れ筋商品になれるか─。

世間から注目 開店前から列

「世の中レトロブームでパンブーム。パッケージもかわいい。地域限定感もある。何といってもおいしくて、誰が食べても懐かしい味がする」。千葉市出身の濱名祐子さんは、この信州のご当地パンを初めて手にした時、「絶対ヒットすると確信した」という。
上司のOKをもらうと、周囲の手も借りて牛乳パンの情報を収集。手始めに4社のパンを棚に並べてみると、濱名さんの読み通り、さっそくお客の関心を引いた。
信州出身なら「子どもの頃よく食べた牛乳パンが東京で食べられるなんて」と懐かしさから手が伸びる。他県出身者は「生地もクリームもすごく厚い。私の田舎にはないパン。どんな味かしら」と、新鮮な驚きと好奇心から買っていくようだ。
現在は10社から計15種類、それぞれ数十個ずつ仕入れ、日替わりで販売している。雑誌やテレビでの紹介も手伝い、どれも「悪天候でもない限り、その日の午前中で完売する」(濱名さん)という。
取材した日、開店前から入り口前には列ができていた。聞くと、牛乳パン目当てという。都内の三鷹市から来た女性(51)は「先日はお昼すぎにもう売り切れていたので、『今日こそ』と思い、早々に来ました」。
10社のほとんどが街の小さなパン店。濱名さんは「忙しい皆さんにはパン一つ一つの包装も大変。貴重な時間と手間を割いてもらっています」と感謝する。
10社のうち中信から唯一参戦しているのがトラットリアフォルツア。銀座NAGANOスタッフらのいち押しの牛乳パンでもあり、「生地もクリームもふんわり軟らかく、味もいい。もちろんお客さんにも好評です」(濱名さん)。
同社は宅配専門だが、銀座NAGANOには10月まで「信州牛乳パン」など3種計60個を納めてきた。当初は水曜だけ店頭に並べられていたが、人気を受け、銀座NAGANOは10月半ばから金曜も販売日に追加。1日当たりの販売数も、11月以降は計80個に増やした。
トラットリアフォルツア営業企画部長の百瀬秀俊さん(42)は「徹底的に生地と味にこだわったうちのパンが東京でも愛されているなんて感激。励みになります」。濱名さんも百瀬さんも「期待を裏切らないよう、これからもおいしい牛乳パンをお届けしたい」と口をそろえた。
銀座NAGANOTEL03・6274・6018、トラットリアフォルツアTEL0263・87・7680