園児も参加 松川村「有機野菜プロジェクト」

経緯や課題、今後の目標は

松川村の有志で2年前から始まった「有機野菜プロジェクト」。移住者ら有志のほか園外活動として園児らも参加し、試行錯誤しながらさまざまな野菜を有機栽培しています。これまでの経緯や課題、今後の目標などを、4月に大阪から移住し地域おこし協力隊として活動する隈本杜(もり)雪(ゆき)さん(26)、村営農支援センターの栗林浩さん(40)に聞きました。
─有機野菜プロジェクトとは。
「『有機農産物を学校給食に使ってほしい』という村民の要望が始まりです。村営農支援センターの職員とボランティアで試験的に野菜を有機栽培し、村の保育園の給食で一部導入することになりました。プロジェクトには17世帯が登録。大半が村外からの移住者で約6割が子育て世代、約3割が親子で参加しています」
─活動内容は。
「すずの音ホールの向かいにある20アールの畑に毎週水曜日に集まり作業します。活動時期は4~11月で本年度はおおむね終了。この2年に作ったのはジャガイモ、ネギ類、トマト、ナス、枝豆、チンゲンサイなど22品目です」
─有機栽培の良さ、難しさは。
「化学肥料や農薬は生育が良くなる、病気が発生しないなどの良さがある一方、使い続けると土地が痩せて(微生物が減って)、徐々に収穫量が減ることが分かっています。
1年目は完全な有機栽培を目指し、農薬も肥料も極力使わないようにしましたが失敗続き。村の土壌は、米には適しているけれど野菜はあまり向かないようで、有機栽培となるとさらに難しいことが分かりました。
そこで2年目は、様子を見ながら有機栽培でも使える農薬などを使って土作りを工夫したところ、だいぶ収量が上がりました。草取りなど人手が要るので“参加型農園”にしたことでバランスが取れているといえます」

隈本さんは「有機栽培は多種多様な農法の一つとして、村の農家さんや参加者と情報を共有し、交流していけたらと思います」。栗林さんは「有機栽培の難しさを感じながらも、土地を肥えさせ地力を上げることの大切さを2年で感じました。型にはまり過ぎず、よりおいしい野菜を作ることを目指して徐々に目標設定を高くしていけたら」と話します。
来年4月からの参加(当面は村民限定)などの問い合わせは村営農支援センターTEL0261・61・1030

【参加者の声】
◆西澤奈津美さん(38)=移住7年目
「虫や植物を守ることが自分たちの命も守ると知り、化学物質や残留農薬のない野菜を使った給食を食べさせたいと子ども5人と参加しました。課題も多いけど、思いが同じメンバーと作業できるのはうれしい。土や野菜に触れることで自然に生かされていると感じます。子どもにとっても大切な経験です」
◆地域おこし協力隊の前島靖之さん(37)=移住1年目
「農作業に興味があり、妻と子ども2人と参加しました。新鮮な野菜のおいしさに感動!少しずつ勉強しながら自分でも有機野菜を育ててみたいです。子どもも野菜に対して興味が湧いたようです」
◆小野寺佑介さん(35)=移住3年目
「環境問題を考える中で同じような思いを持つ仲間と出会い、共同で栽培することへの面白さも感じ妻と参加しました。移住者同士の新たなコミュニティーとして機能していて、さらに発展して面白いものになりそう。子どもより大人が真剣に楽しんでいるようにも感じ、そんな姿を見せることが子どもにとっても大切かなと思います」
◆プロジェクトから農産物を購入した一般社団法人シュタイナー療育センター代表理事の森尾敦子さん(64)
「シュタイナー教育では健康的な土壌や環境で育てられた作物は生命力が強く、それを食べることでその力を受け取れるという考え方があります。野菜中心の食事は、よくかむことで脳や内臓がしっかり働くので幼少期には大切。畑作業にも参加させてもらいありがたいです」