【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#17 自給自足のカギはすごいやつ

自給自足、なんて素晴らしい響きでしょうか。自然農法でお米を作り始めて4年。どうにか一人前に作れるようになりました。これで炭水化物は大丈夫。タンパク質はどうしようと考えたら、そこは大豆でしょう。良質なタンパク源であるだけでなく、脂質や炭水化物、美容にもいいとされるイソフラボンも含まれています。
就農して初年度は土をよくする年にしました。前回お話しした、イネ科とマメ科の作物の力を借りて。翌年も同様にしたところ、3年目の昨年は目に見えて地力がついたようです。まいた大豆も元気で、収量も取れるようになりました。
さて、大豆。こいつは本当にすごいやつなんです。夏本番、農作業に疲れてビールが恋しい頃になると、枝豆で味わえます。もう少しそのままにしておくと立派な大豆になります。さらに暗がりに放置すれば、もやしが生えてきます。
大豆の加工品がまた豊かです。まず豆腐。その過程で豆乳やおからができます。いって粉にすると、きな粉。納豆菌で発酵させると、納豆。豆腐を揚げたら、油揚げ。凍らせると、凍(し)み豆腐。すべて実践済み、おいしいです。
そしてなんといっても真骨頂は、みそ。わが家では1月下旬に1年分を仕込みます。いわゆる「手前みそ」で、香りもコクも第1級。おいしいです。もう戻れません…。
自給自足のカギは大豆にあり、と言っても過言ではないでしょう。