アロマを使った嗅覚トレーニング

アロマテラピーインストラクター青木みきさんに聞く

普段、生活の中で自分の嗅覚を意識することはあまりないが、年齢を重ねると、気付かないうちに、においが分かりにくくなっているという。アロマを使った嗅覚トレーニングの体験講座を松本市内で開いている、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクターの青木みきさん(48、同市筑摩3)に嗅覚の低下についてやトレーニング方法などを聞いた。

嗅覚低下命の危険招くことも

五感の一つ嗅覚は、加齢とともに衰えていきますが、気付きにくく、そのままにしがち。嗅覚が低下すると、食べ物が腐っていることや、ガス漏れに気付かないなど命の危険を招くこともあります。また、嗅覚が低下している高齢者は認知症になりやすく、寿命が短くなるともいわれています。
嗅覚に関わる嗅神経細胞は、死滅と再生を繰り返しているまれな細胞で、においの刺激を与えないと細胞の死滅が進み、嗅覚が衰えます。そこで、細胞の再生を促す嗅覚刺激治療が注目されています。
鼻の病気の治療や、生活習慣病の改善のほか、運動、禁煙、風邪をひかないよう心掛けるなどのリスク回避も大切です。

いろいろな香り意識してかぐ

【嗅覚トレーニング】加齢などによる嗅覚低下の対策として、特色の異なる4種の香り(樹脂臭、薬味臭、果実香、花香)を朝晩2回、約10秒×12週間かぐことが幾つかのクリニックで勧められ、その方法の1つがアロマを使ったトレーニングです。雑貨店などで手に入りやすいユーカリ(樹脂臭)、レモン(果実香)、ラベンダー(花香)の精油と、スーパーなどで売られているクローブ(薬味臭)を使います。
【香り瓶の作り方】広口瓶にコットンを入れ、精油を染み込ませるように1ミリリットル(20滴)入れます(クローブはそのまま瓶へ)。中身が分かるようにラベルを貼ります。瓶の種類を変えたり、植物の写真を貼ったり、色分けしたりして、香りをイメージしやすいよう視覚的な情報を加えるといいでしょう。
【トレーニング方法】ふたを開け鼻から3センチほど離した位置で瓶を持ちます。口を閉じて鼻からクンクン小さくかぎ、10秒間続けます。1つの香りをかいだら、1分ほど鼻を休ませ、同じように計4種類をかぎます。どの香りからでもいいです。
【ポイント】深呼吸をしないように、小さく鼻の中に香りを広げます。香りは記憶と結び付いているので、どの香りをかいでいるか意識し、頭の中で植物を思い浮かべるなど香りをイメージしましょう。精油は揮発しますので、香りが抜けてきたら足します。
精油でなくても、好きな香水、コーヒー、レモン、花など、いろいろな香りを意識してかぐことが刺激になります。
【精油使用上の注意点】精油は植物の香り成分を抽出したもの。直接肌に塗ったり、目に入れたり、飲んだりせず、火の近くでは使わないでください。直射日光を避け冷暗所で保管します。
講座の問い合わせは「AROMAYADANRO」で検索か、青木さんTEL090・2549・9702