「長野県の大正解」とは?

全国へ魅力発信雑誌「BRUTUS」が特集

今秋、各地で話題となった雑誌「BRUTUS(ブルータス)長野県の大正解」。名所や名店の紹介にとどまらず、信州の伝統と文化を守り続けたり、信州に新しい魅力を与えたりした「ひと」に焦点を当てた記事も注目を集めた。
同誌の西田善太編集長は「松本は街も人も面白くて大好き。暇さえあれば、いつでも行きたい」と話すほどの「松本愛」の持ち主。「コロナ禍で打撃を被った長野県の観光と物産を支援するため、斬新な視点でとらえた長野の情報を全国に発信したい」と考えた県職員。両者の思いが共鳴し合って、この特集が生まれた。
今、信州の何が注目されているのか、信州が誇る宝とは何か─。同誌の編集者を訪ね、実際に県内を取材して回ってみて感じた「正解」を聞いてみた。

県からの提案全域から探す

「ブルータス長野県の大正解」は「土地の味」「工芸」など長野の観光と生活文化に関わる20のテーマを立て、長野、松本など10のエリアからそれぞれのお薦めの場所や物産を紹介している。10月20日に発行された。
同誌は衣食住から文芸、芸術、スポーツまで多様なテーマを扱うライフスタイル情報誌(月2回発行)。1980年創刊で根強い読者を持つ。
その人気企画の一つが「都市の正解」シリーズ。2018年7月の福岡を皮切りに、札幌、名古屋、大阪など注目都市を取り上げてきた。毎号、「今の時代の読者が求めているもの」の視点で都市を多面的に取材。隠れた魅力と最新のトレンドを探り出している。
そんな同誌に目を付けたのが、愛読する県営業局の島津豊係長。7月、「コロナで停滞する信州の産業を活気づけるため、次の『正解』は長野県で」と編集部に持ち掛けた。
東京から日帰りするほど松本にほれ込んでいる西田善太編集長に断る理由はなく、「やりましょう」と即決。都市ではなく県内全域で「大正解」を探すことになった。
担当編集者に指名されたのは、草野裕紀子さんと木戸智士さん。8月上旬から約2カ月かけて県内をくまなく回った。水や食べ物、空気のおいしさに感激した2人。「長野県はエリアごとに個性が違う。それが県全体をパワフルにしている」と気づいたという。
草野さんは、奈良井宿(塩尻市)の街並み保存運動に「住民の声で運動が始まり、住民が今も保存建築で暮らしているところが素晴らしい」と感心。ミュージックバーなど松本の音楽スポットが横のつながりをつくりだしている点に着目した木戸さんは「そういう街はほかにはない。松本の音楽をホットにしている」。2人は話題の主たちを見つけては、丹念に話を聞いて歩いた。
ほかにも「水と森に恵まれた長野はアウトドアサウナの好適地」「歴史にひもづいた長野の古道具店の世界は奥が深い」など、特有の自然の恵みや伝統にも目を向けた。信州に価値を見いだすのは移住者が多いと感じた草野さん。「私もいつか移住したくなった」と言うほど魅了された。

売れ行き好調PRの励みに

売れ行きも好調という「長野県の大正解」。西田さんは「人を引き寄せる県である証し。郷土への誇りを持ってほしい」。島津さんは「この本に『自分たちの周りには貴重な宝や人材、歴史がある』と教わった。県をPRするのに励みになった」と話している。
「BRUTUS長野県の大正解」はマガジンハウス社発行。98ページ、990円。詳細は公式サイト(「マガジンハウスBRUTUS」で検索)