「子どもたちの笑顔」励みにおもちゃ作り

年に4000個製作保育園などへ

松本市島内の横山●(ネに基)宇(よしたか)さん(88)は、牛乳パックやラップの芯、ペットボトルなど、家で不要になったものを使っておもちゃを手作りし、同市内の保育園や福祉広場などにプレゼントしている。「子どもたちの笑顔」を励みに、18年間おもちゃ作りを続けている横山さんの創作意欲は、米寿になっても旺盛だ。
牛乳パックとペットボトルのキャップで車やゾウ、トイレットペーパーの芯をつなげてヘビ、竹串にアルミを巻いたアルミトンボなど、これまでに作ったおもちゃは80種類以上。1年間で4000個以上を作り、昨年は約3200個を市内の保育園、小学校、福祉ひろばなどにプレゼントした。
ほぼ毎日、製作に取り組んでいるといい、「作っていると1日があっという間に過ぎてしまう」と笑う。
単に、たくさん作るだけでなく、見た目にもこだわる。きれいな色合いのパックは、その色を生かし、地味な場合は菓子の包装紙や、水玉柄や動物のキャラクターなどを貼ってかわいく仕上げる。
また、園児には大きくて動くもの、小学生には少し頭を使うものなど、年齢に応じたおもちゃにするのもこだわりだ。
作り方は、友達に教えてもらったり、本を読んで勉強したり。そうして得た技術を自分流に工夫することも。何回も失敗し、試行錯誤を繰り返して完成させたおもちゃは、「見ても遊んでもワクワクするもの」で、「安心安全なおもちゃで、楽しく遊んでもらいたい」と願っている。

何を作ろうか明日への希望

横山さんは、60歳まで勤めた会社の関連会社で75歳まで働いた後、マレットゴルフなどを楽しんでいたが、「毎日できるものはないか」と新たな趣味を探していた。
幼いころから、野球のバットやグローブなどの遊び道具は、ほとんど自分で作るなど、ものづくりが好きだったため、「好きなことを生かし、さらに不要になったものを使って何かできたら」とおもちゃ作りを始めた。
現在では、保育園などから「こんなおもちゃがほしい」とリクエストされることも。来月は、正月用のたこを市内の3園に届ける予定で、製作に励んでいる。
「明日、何作ろうかな」と考えるのが至福の時で、それが「明日への希望になっています」。さらに街中で会った園児の「次はいつ来てくれるの」「何作ってくれるの」というかわいらしい声がやる気を駆り立てる。「子どもが喜んでる笑顔を見られるのが一番うれしい」と笑顔を見せた。