塩尻で「自然養鶏」

生でよし、ゆでてよし、焼いてよし、とじてよし、溶いてよし、しかも安価な卵。そんな万能食材に魅せられた柴田勝さん(46、諏訪市)は今秋、仲間と会社を立ち上げ、塩尻市北小野でおいしい卵作りに挑んでいる。手法は、地上で鶏を飼う平飼い。そんな柴田さんの養鶏場を訪ねた。
柴田さんが育てている鶏は、黒と白の羽が特徴の「ホシノブラック」と、緑色の卵を産む「アローカナ・クロス」計約250羽。与えている餌は無農薬で栽培された米のほか、ぬか、土地の草など。「生卵が苦手な人や卵アレルギーがある人でも食べられる」。目指すのはそんな卵だ。
産業廃棄物収集運搬会社に勤めていたが、「やりたいのはこの仕事ではない。今がラストチャンス」と転職を考えていた。何となく「これから農業っていいんじゃないか」と感じていた時、テレビで卵かけご飯の特集番組を見て衝撃を受け、心が決まった。
狭いケージの中ではなく、地上を自由に走り回れるようでなければおいしい卵は産めない─。そう考えて土地を探し、北小野の畑にたどり着いた。8月からネットを張ったり小屋を設置するなどして準備。飼育スペースは約400平方メートルある。
2日に1度、鶏に与える水をくむ。冬は冷え対策として、竹の粉にわらを混ぜて発酵させ土にまく。1日中、鶏と向き合う。作業は大変だが「人生で初めてやりたいと思ったこと」を楽しんでいる。
10月には、志を同じくする仲間と合同会社「picoppo(ピコポ)」を設立。柴田さんと上井利恵さん(52、安曇野市豊科)が共同代表、松澤有里子さん(52、諏訪市)が宣伝部長を務める。
卵の商品名も「ぐったま」と決めた。11月末には初卵が取れる予定で、初卵のお披露目も兼ねたイベントも考えている。問い合わせはフェイスブックから。