Japanese Dining 和振店主・林さんに聞く―鮮魚の選び方、調理法

魚を子どもに食べさせたいけれど、調理法が分からないし後片付けが大変そう─と思うママパパはいませんか?板前として調理場に立つ、松本市南原1の和食店「Japanese Dining和振(わふる)」店主の林寿三代(すみよ)さん(45)に、鮮魚の選び方や調理法などを聞きました。

★魚の選び方
店で扱うフグや銀ダラなどは鮮魚店から仕入れていますが、スーパーなどでもさまざまな魚を買うことができます。骨が苦手な子どもには刺し身用のさくがお勧め。骨取りが不要(まれに骨が付いているので注意)なので、揚げ物をするときに手間がかかりません。
鮮度の良い魚を見分けるポイントは、身に張りがあって目が透き通っているか。えらの中を見て、色がよどんでいない鮮明な物がいいです。トレーに入って売られている場合は、魚の栄養分や水分が流れ出る「ドリップ」が少ない物を選んでください。

★魚の下処理
うろこが付いている場合は、まずそれを取り除きます。硬いうろこが取れる専用道具もありますが、ペットボトルやアルミ缶飲料のキャップでも代用できます。
その後、えらから腹の真ん中辺りにかけて包丁で切れ目を入れて内臓を取り、流水で内部をきれいに洗います。家庭用包丁でも簡単に切れますが、ひれに指が刺さるのが心配なら、先にキッチンばさみなどで切っておくといいです。
次に、臭み消しと身の引き締め効果がある「ふり塩」をします。少し多いと感じるくらいに塩を振りかけて10分ほど置き、水分をキッチンペーパーなどで拭ってから調理を始めます。
買ってきた魚をすぐに調理しないときは、下処理後に調理用吸水シートで包んで保存袋に入れ、冷蔵・冷凍庫へ。冷凍した魚を使うときは、冷蔵庫内で自然解凍するか流水で解かします。

★未知の魚はどう調理?
食べ方に悩む魚は、鮮魚担当者に調理法を聞くといいです。その魚が一番おいしい調理法を知っていると思うので、詳しい人に教わると安心です。
わが家は尾頭付きを食べることで、子どもたちの食育に役立てています。一緒に食べれば骨の取り方も教えてあげられます。
味や食感は魚の種類によって全然違うので、いろいろ食べ比べて自分好みの魚を見つけるのも楽しいですよ。

★食事にどう取り入れる?
白身や赤身などいろいろ食べることをお勧めします。切り身だけでなく、缶詰やしらす干し、ちりめんじゃこ、魚肉ソーセージ、ちくわ、さつま揚げなども含めて献立を考えると取り入れやすいです。
3歳くらいの子どもだと1回の食事で食べる魚が30~40グラムなので、2日に1回以上取り入れるといいです。ブリなど脂の多い魚を20~30グラム食べれば1日の摂取目安量が取れます。

★ホイル焼き

【作り方】 ①全体を包める大きさに切ったホイルの上に、下処理をした魚1匹と野菜類を載せ、少量の酒を振りかけ全体を包む。同じようにもう1つ作る。
②フライパンに並べ、少し浸る程度に水を注ぎ10分ほど中火にかける。魚の身の中心部まで火が通れば出来上がり。好みでポン酢やスダチなどをかけて。

林さんのレシピ通りアジで挑戦したところ身がふっくらして軟らかく、骨も取りやすかった。ふり塩だけで味付けは十分。1匹完食した5歳の娘は「また作って」と笑顔。

★潮汁(うしおじる)

【作り方】①タイの中骨に「ふり塩」をしてから「霜降り」し、 水200㍉㍑、酒100㍉㍑、塩小さじ1を入れた鍋に加えて中火にかける。火が通ったらわんに盛り、白髪ネギと三つ葉を添える。

【ワンポイント】タイの骨は硬いので、出刃包丁がない場合は鮮魚担当者に処理を頼むのがお勧め。普通のしょうゆでもいいが、甘みが深く濃い口の「甘露醤油(しょうゆ)」を使うとよりおいしくなる。

★幽庵(ゆうあん)焼き

【作り方】 ①タイの切り身、しょうゆ・酒・みりん各50㍉㍑、ユズの輪切り 個を容器に入れて漬け込み、15分たったら取り出して両面焼きグリルで約8分焼く。

★煮付け

【作り方】 ①鍋に煮汁(水・酒・しょうゆ・みりん=4:4:1:1)と砂糖(適量)を入れ、半量まで煮詰める。
②タイの頭に85度くらいの湯をかけ、臭みとぬめりを取り除く「霜降り」をする。①に入れ、煮汁を回しかけながら中に火を通す。

【はやし・すみよ】松本市出身。大阪あべの辻調理師専門学校(大阪市)で調理師免許を取得後、大阪や松本の店で7年働き、日本料理の国家資格「専門調理師・調理技能士」を取得。2019年に現在の店を開店した。年長児から中学3年まで4人の子どもを育てることから、店に授乳室やベビーベット、キッズスペースを用意。ランチ営業のほか要予約で弁当(前日まで)と夜営業(3日前まで)も。日曜・祝日定休。TEL0263・25・5783