母国で教師の夢 ホテルで働き日本語磨く中国人・朱凱さん

「ありがとう」が励み

松本市の「ホテルモンターニュ松本」(巾上)に勤める中国・北京出身の朱凱(しゅがい)さん(28、深志)は、中高生のころに日本人作家の小説を読んだのがきっかけで、日本で働くことを選んだ。将来は母国で日本語の教師になりたいと、客との会話を勉強と捉え、松本での生活を楽しみながら仕事に励んでいる。

日本の小説が好きで

日本の小説の魅力を「描写が詳しく、まるで写真を見ているようにイメージが浮かぶ」と語る朱さん。東野圭吾さんのミステリーをはじめ、来日するまでに100冊以上の中国語訳を読んだ。
「日本語で読みたい」との思いから、北京の首都師範大学の学生だったころから独学で学び始め、卒業後に23歳で日本へ。東京の日本語学校を経て松本市の丸の内ビジネス専門学校(城西1)で学び、「日本語を使いながら仕事がしたい」と、2年前に同ホテルに就職した。

「相手の立場」発想驚き

中国では、自分の要望や要求を相手にストレートに伝えるのが普通といい、「相手の立場でものごとを考えて行動する」日本のサービス業の発想が「カルチャーショックだった」と振り返る。
歴史がある松本の街並みが好きになり、休日は市内の神社や湧き水を巡ったり、飲食店を訪れたり。ホテルのフロントに立ち、客に観光名所や飲食店を紹介する際は、自身の感想を交えて説明する。「お客さまに『ありがとう』と言われると、すごく励みになる」
いずれは中国で、子どもたちに日本語や日本の文化を教えるのが夢だ。すでに日本語検定1級を取得し、教える水準に達しているかを検定する日本語教育能力検定試験にも毎年挑戦。10月に受験し、合格すれば12月末に証書が届く。
「日本語は言葉の使い分けなどが難しい」と言いながらも、職場での実践を通して日々、目標へと近づいている。