【ガンズリポート】若手目立った最終戦 「いい糧に」来季見据える

42節・5日 山雅1─2長崎

松本山雅FCの大卒1年目、宮部大己がチーム今季最後の得点を挙げた。名波浩監督になって出場機会が増えた23歳。ルーキーイヤーでJ3降格の憂き目を味わったが、「何年か後でいい糧になるように、来季に向けた準備が大切になる」と、年男となる2022年を見据えた。
最終節のV・ファーレン長崎戦、2点を追う後半10分、FW榎本樹のヘディングシュートをGKがはじくと、ボールは宮部の前に。落ち着いて右足で押し込んだ。
この日は右MFで先発。「逆サイドからのクロスには積極的に(ゴール前に)入れと言われていた」。指示通りの動きで、今季2点目をものにした。
今季の出場は20試合。うち19試合は名波監督になってから。1対1の守備の強さに加え、攻撃参加もできる。本職はDFだが、この日のようにMFでも起用された。
名波監督はこの日、けが人の多かったシーズンについて、「(代わりに出て)チャンスを生かした選手が少なかった。宮部と榎本くらい」と振り返った。
宮部ら若手DF陣のミスで失点が続いた9月上旬には、「選手を代えないのは、クラブは育てるつもりでこの世代の選手を獲得していると思うから」と話している。育成も念頭に置きつつ、選手をやり繰りした指揮官の期待に応えた1人が、宮部だった。
長崎戦のメンバーは、若手が目立った。先発した高卒1年目のFW横山歩夢は、名波監督になって初めての出場。山雅ユースから初めて直接トップチームに昇格したMF稲福卓は、プロデビューを果たした。ボール奪取で持ち味を見せた19歳は、「育成組織のみんなに希望を与えられるんじゃないか」と力を込めた。
「同世代の選手が多く、成長を促す方がやりがいがある」と名波監督。最後まで結果を出せなかったシーズンで、チーム再構築の方向性の一つは示した。