「安曇野神竹灯」幻想的な8000本の明かり

竹灯籠織りなす冬の風物詩

竹筒に入れたろうそくをともす冬の風物詩「安曇野神竹灯(かみあかり)」が3~5日、安曇野市の穗高神社境内で開かれ、暗がりに約8000本のオレンジの明かりが揺らめく、幻想的な光景が広がった。竹灯籠が織りなす温もりと癒やしの風景にカメラで迫り、心に映るイメージを表現した。

華やか和傘とのコラボも

安曇野神竹灯は、市観光協会や宿泊施設などでつくる実行委員会が主催。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止し、2年ぶり10回目の開催となった。
竹灯籠の基本は、大小さまざまなモウソウチクを3本組み合わせて作る、シンプルな明かり。それをどこに、どのように配置するかで、視覚的な美の印象が大きく変わる。バランスやセンス、アイデアが重要だ。今回は内側から照明を当てて浮かび上がらせた、赤や青の華やかな和傘とのコラボレーションが際立った。
3日午後6時20分、拝殿の前に立つ。竹灯籠の楕円(だえん)状の、まろやかな明かりが見る人の心を優しく包む。電球などのイルミネーションとは一味違う、落ち着いた風情が心地よい。見上げると、拝殿の上に広がる星空に「はくちょう座」のデネブ、「こと座」のベガ、「わし座」のアルタイルが輝く。「夏の大三角」を眺めていると、星空の下の神竹灯が“地上の銀河”に見えてきた。

【神竹灯のものがたり】

安曇野神竹灯は2011年、冬の安曇野に人を呼び込もうと、宿泊施設でつくる実行委員会が、大分県竹田市で行われているイベント「たけた竹灯籠『竹(ちく)楽(らく)』」を参考に始めた。竹田市のNPO法人から竹灯籠を譲り受けた際、次のような物語が生まれた(実行委作製のパンフレットから引用、一部要約)。

ここ(穗高神社)には、九州の海人の神である「穗高見命(ほたかみのみこと)」という神様がいます。彼には、九州・祖母山の神である「豊玉姫(とよたまひめ)」という姉がいました。
ある日のこと、姉の豊玉姫から贈り物が届きました。開いてみると竹筒があり、手紙には優しい姉からのメッセージが…。
「今年も私がいる山の麓の竹田市で、里山を守るために始まった『竹楽』という、竹に明かりをともす祭りがありました。土地の人が心を込めて続けています。山を大切にする人々の心を、あなたが住む安曇野にも伝えたいと思ったのです」
穗高見命は「よし!安曇野でもこの明かりをともそう!竹の光がみんなの心を明るく照らすようにしたい!だからこの明かりを『神竹灯(かみあかり)』と名付けよう!」。こうしてこの神竹灯が、この地で始まることになったのです。

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