【講演会聞きどころ】バドミントン元日本代表・潮田玲子さん

挫折こそ人生最高の学び

松本大北地域出産・子育て安心ネットワーク協議会が開いた「松本地域・大北地域出産・子育て公開講座」で、バドミントン元日本代表の潮田玲子さん(38)が講演した。6歳と4歳の子どもを育てる潮田さんは「挫折こそ人生において最高の学び」と題して話し、ネット視聴を含む約140人が聞いた。(11月3日)
私の競技人生でかなわなかった最大の夢は五輪のメダル。だから「諦めなければ夢はかなう」という言葉を大きな声で言えない。でも、目標に向かい精いっぱい努力した過程、熱中した時間は胸を張って誇れるものだ。
小学1年からジュニアチームに入り、6年の時に全国大会3位。優勝して先生を喜ばせたい一心で練習し、中学3年の時に全中で優勝。でもこのころは世界を目指そうとは1ミリも思っていなかった。
高校時代、ジュニアのナショナルチームに選ばれ、興味のなかったダブルスを小椋久美子さんと組むことに。すると結果が出て、気持ちにも変化が表れた。異次元の五輪出場の夢を真面目に話す大人がいて、両親も背中を押してくれ三洋電機に入社。「オグシオ」時代が始まった。
世界で結果を残すたびに注目が高まるのはうれしく、モチベーションにもつながったが、北京五輪前、報道が加熱。メダルの期待を裏切れない不安で夜は眠れない。迎えた本番は準々決勝で完敗した。一方、末綱聡子さん、前田美順さん(スエマエ)組は準々決勝で大接戦の末に金星を挙げた。大舞台での挫折で心が打ち砕かれ、燃え尽き症候群になった。
ペア解散が決まり、五輪3カ月後の全日本総合選手権がラストマッチ。スエマエ組との決勝戦終盤、初めて「ゾーン」に入る感覚を体験し優勝を飾れた。五輪の時とは違い「もう負けてもいいから、私たちらしい試合を」と臨んだ結果。気持ち次第でパフォーマンスが変わり、五輪では自分のために頑張れていなかったことにも気付いた。
この試合で「勇気をもらった」との声に背中を押されてコートに立つ意味を見いだし、次の五輪に向けて頑張ろうと思えた。
引退した今でも、仕事や子育てなどで壁に当たると「なぜ(Why)」「誰のため(Who)」とシンプルに原点に戻り、感情を客観的に整理することを大事にしている。「玲子の人生は玲子のもの」。活躍を期待しながらもいつも同じテンションで見守り、私の意志を尊重してくれた両親の姿勢も子育ての参考にしている。