【子育ての呪い捨てませんか】 マザーズコーチング和田春菜さんに聞く(2)

「早くできる=偉い」は違う

子育てで感じるのは「早くできるようになった方が偉い」という風潮です。うちの子は8カ月なのにもう歩いています、1歳でおむつを卒業しました…。数年すれば同じようにできるのに、少しでも早い方が良しとされることに焦りを感じるお母さんもいると思います。無意識にすり込まれた「早い=偉い」という呪いを感じる瞬間です。
私の子どもがゆっくりだったのは、おむつの卒業でした。投稿や他のお母さんたちの話に不安になったものですが、そんな時、ベテラン助産師さんに次のように言われました。
「この子は今、別のことに興味があって力を注いでいるから、トイレトレーニングに回す余力がないの。体力と気力には限りがあるから、今どこに注ぐかはそれぞれ。やりたいって言い出すまで待っていて大丈夫」
ふっと力が抜けて、本人がやりたくなるまで待つことにしました。その後しばらくしてトイレに気持ちが向いたら、あっという間におむつは卒業。無理矢理外さなかったので、掃除や洗濯が増えることにうんざりして怒ることや、ご褒美を使っておだてる必要はありませんでした。
育児はつい人と比べてしまいがちです。母子手帳や育児雑誌には基準が載っているので、それとずれていると「わが子か私の育て方、どちらかに問題があるはず」と責めてしまう傾向にあります。
でも、それらは一つの目安にすぎません。この子は今何に夢中?嫌いなことは?余力はありそう?興味はある?多くの視点から子どもを見てみましょう。内側から湧き出るやる気とともにできる時こそ、その子にとってのベストなタイミングです。
遅くても早くても大丈夫!大切なのは「やりたいことを応援してもらえた」という、チャレンジに対する安心感を渡すことではないでしょうか。比べるならぜひ「過去のわが子」とだけにしてください。子どもの成長を穏やかに見守ることにつなげられますよ。