松本城と最新技術が融合

2月末まで「松本市イルミネーション2021-2022」

水色の泡、戦国時代を思わせるような赤く複雑な光線、鮮やかで躍動感のある模様…。漆黒の国宝松本城天守が、カクテル光線でさまざまな表情に彩られている。
音楽とライトの演出で次々と切り替わるさまざまな場面は、「現在」「過去」「未来」を表現。内堀の水鏡が見栄えを倍増させている。歴史的な建造物の風格と最新技術が融合した絶景だ。
来年2月28日まで、松本城や大名町、千歳橋など松本市中心市街地を光で彩るイベント「松本市イルミネーション2021-2022」。コロナ禍に振り回された2021年もあとわずか。新年への期待を抱きながら、夜の街を歩いてみた。

街と人明るく照らす

「松本市イルミネーション2021-2022」は、松本城天守のレーザープロジェクションマッピングのほか、大名町通りの街路樹や千歳橋に約8万球のLEDをともす。イルミネーションは新年やバレンタインデーなど季節イベントに交わせた特別な演出も。
家族3人で足を運んだ下平史子さん(50、塩尻市洗馬)は「昼間の松本城とはまた違って幻想的」。訪れた日が誕生日という長男・泰士さん(13)は「歴史好きなので記念日に来られてうれしい」、長女の一維さん(10)は「コロナでなかなか外出できなかったので、きれいな景色が見られて良かった」。
松本城イルミネーションのテーマカラーは青。信毎メディアガーデン(中央2)も外壁を、松本信用金庫本店(丸の内)は北側の壁とエントランスを、それぞれ青色でライトアップしている。同金庫は毎週土、日曜夜に南側駐車場にキッチンカーを出し盛り上げる。
明かりは街を照らし、道行く人の表情も明るくする。そんな様子を取材した記者の心も温かくなった。

【松本市イルミネーション】
松本城のレーザーマッピングは午後6~9時、松本城公園・大名町・千歳橋イルミネーションは5~10時。詳細は公式サイトに。

PV企画・制作クリエーターの2人に聞く

3カ月にわたる今回のイベント。若者の参加を呼び掛けよう─とプロモーションビデオを作り、2月から公開予定だ。企画・制作に携わった2人のクリエーターに話を聞いた。

PV撮影を担当 清水貴栄さん(34、東京都)松本市出身のアートディレクター

プロモーションビデオ(PV)の企画、撮影に携わった。早瀬さんの考えた物語を基に、松本市街地でカメラを回した。
撮影の前日、松本城などに足を運んだ。「幻想的で美しく、新しいお城を見られた。街はいい意味であまり変わっていない。そこが松本の魅力ですね」
松本蟻ケ崎高校から武蔵野美術大学を経て映像会社に就職し、2年前に独立。2019年の松本パルコ開店35周年では、ポスターなどのビジュアルイメージを手掛けた。
高校時代から縄手通りや近くの老舗レストランがお気に入りという。「松本が大好き。理由はうまく言えないけれど、青春の思い出が詰まった場所だからかな」と話す。
「紹介したいポイントがたくさんあり多く撮りすぎてしまった」というPVは15秒と30秒に編集する。「若者が自分の街にすてきな場所があると感じてもらえればうれしい」

ストーリー考案早瀬直久さん(44、大阪府)ミュージシャン、地域活性プロデューサー

寒い季節でも松本の街歩きを楽めるような“物語”を考えた。街を照らす明かりに、ときめきや思い出などを盛り込み、20代女性の目線で追っている。
物語は、東京で暮らす松本市出身の女性が帰省し、友達と街歩きを楽しみながら松本城のイルミネーションを見に行く─という流れ。懐かしさと新しさのある世界観で表現した。「最も寒い季節、心を温めるひとしずくになればうれしい」と話す。
松本市のプロモーションに携わるのは2回目だ。1回目は今夏、美ケ原高原の売店に3年後の自分に宛てたはがきを出す「未来ポスト」を置き約1200通が集まった。
地域に愛着を感じてほしい─と、中・高校生を主なターゲットに制作した。「松本の街は水がおいしく城下町の風情がある。街なかの距離感もよく松本城もきれい。この風土で育つということはラッキーなんです」