【なないろキッズ】 #67 習い事は本人に合わせて

「発達の偏りのある子の習い事は、何が向いていますか?」という質問をよくいただくのですが、「それは人それぞれです」と言うしかありません。ただ一つ言えるのは、本人が楽しいと思わず、やる気の出ない習い事はやっても無駄、むしろ害悪にすらなるということです。
自閉スペクトラム症のタイプの方は、興味のあることにはのめり込み、興味がないけど、やらなければならないことを実行するのにすごくエネルギーを消耗するという傾向があります。
真面目なので、やると決まってしまえば楽しいか、楽しくないかに関わらずやってしまうのですが、好きじゃなければ気付かないうちに疲労もストレスも蓄積します。
また、ADHD(注意欠如・多動症)傾向の方は、面白そうと思えば飛び付き、猪突(ちょとつ)猛進になるけれど、すぐに他に興味のあるものが現れて今度はそっちに猪突猛進。いったん興味を失ったものには見向きもせず、二度とやることはありません。
ADHD傾向のあるお子さんの場合は、いくら本人がやりたいと言ったとしても、必ずしも続くとは限らないと、大人は承知したうえで始めましょう。もし飽きてやめることになったとしても、少しやってみたことで世界が広がってよかったなと前向きに思っておきましょう。
自閉系のお子さんの場合、新しいことを始めるのにハードルが高いことも多いので、本人がその気になったなら、とりあえずやってみましょう。「一度始めたら続けないといけない」みたいなことを言ってしまうと、それが呪縛となり苦痛でも続けなければいけないという思い込みに拍車が掛かってしまいます。
むしろ「3カ月間お試しして、続けるかどうかの検討をしよう」と提案し、「本当に楽しくて、大変だったり疲れ過ぎたりしなかったら、もう3カ月続けよう」ぐらいののりで始めるのがよいかもしれません。