信州「ご当地コーヒー」開発に挑む

コーヒーの可能性は無限大

コーヒー豆にみそ、わさび、リンゴなど県産品のフレーバーを施すことで、信州の「ご当地コーヒー」をつくる。珈琲(こーひー)茶房かめのや(松本市大手4)などを運営する「Alps coffee lAb.(アルプス・コーヒー・ラボ)」(同)が、そんな取り組みを進めている。
「地域性や季節感を出したコーヒーを作りたい」との思いが出発点という。ほかにも、諏訪のカリンと組み合わせたコーヒーなども開発中。中には、ジビエ風にシカの角を粉にしてブレンドするといった一風変わったアイデアも。
いずれは信州だけでなく、全国47都道府県の「ご当地コーヒー」をつくるのが目標。こうしたスペシャルティーコーヒーを通じて、普段あまり飲む習慣のない人も引き付けたいと期待している。

ブランデーに生豆を漬けて

アルプス・コーヒー・ラボがつくった「林農園の五一ブランデーコーヒー」を手に取った。ブランデーとコーヒー、お互いの香りはぶつからないのか、どんな味がするのか─。疑問に思いながら口にしてみる。今までにない味わいだ。でも、2つの香り、味がうまく溶け合っていると感じた。
「林農園の五一ブランデーコーヒー」は、コーヒーの生豆をブランデーに漬け込み、それを乾かし焙煎(ばいせん)してつくる。「ラム酒やウイスキーなど、アルコールに漬けるコーヒーはあるが、土産物として売っているところはない」と同社。「お酒を飲めない時間でも、お酒を感じられてリラックスできる」といった声が寄せられているという。
県産のリンゴを丸ごと搾った汁に生豆を漬けて発酵させた「信州林檎(りんご)コーヒー」は、アルプス・コーヒー・ラボが一昨年の3月につくった「ご当地コーヒー」第1号。ほかに、ティーバッグと同じディップスタイルのコーヒーもあり、こちらは丸正醸造(松本市出川町)の信州みそでこくを出したり、わさびのマルイ(安曇野市豊科)のわさびで爽やかさを演出した。八幡屋礒五郎(長野市)の七味で、辛さを出したものもある。
アルプス・コーヒー・ラボはこれまで、カレー店や旅館、ホテルといった店や施設の雰囲気をコーヒーで表現するブレンドを作ることに力を入れてきた。「ご当地コーヒー」もその一環で、県内の特産品の香りや味とブレンドすることで、信州をイメージさせるコーヒーに仕上げる。「コーヒーの可能性は無限大。どこにあっても違和感がない商材」と、同社の九蘭滉太専務(25)は期待する。

47都道府県のコーヒー目標

とはいえ、どんなものでも合うわけではない。これまでの試作品では「スイカは水分が多くて難しい。マスカットも合わなかった」という。
「ちょっと面白そう」「どんな味がするんだろう?」。コーヒー好きだけでなく、日頃コーヒーを飲まない人の興味も引き、ちょっと手に取りたくなるラインアップをそろえることで、土産品としても定着させたい─。そんな狙いもある。
目標とするのは「47都道府県のコーヒー」だ。北海道は何と掛け合わせるのだろう。広島県だったら?想像するだけでもわくわくする。社名そのままの「実験」はまだまだ続きそうだ。
ブランデー、リンゴの豆・粉タイプは740円~(100グラム)、ディップスタイルは3パック入りで780円~。同社TEL080・7059・2330