縣陵女子テニス団体 全国初出場

テニスの全国選抜高校大会(3月20~26日、福岡市ほか)女子団体に、松本県ケ丘が初出場する。予選の北信越大会は突破できなかったが、地元開催だった昨夏の全国総体(インターハイ)で審判員を務めた貢献などが認められ、推薦枠で選ばれた。開会式では女子48校を代表して柳澤柚希(ゆずき)主将(2年)が選手宣誓を務める。
全国9地区予選を勝ち抜いた男女各46校に加え、推薦の各2校が1月末にオンライン中継で発表された。自宅で見ていた柳澤主将は「夢のよう。うれしくて涙があふれた」。
同校テニス部は1963(昭和38)年、同好会からスタートし、66年に部に昇格。男子団体はインターハイに過去4回出場したが、女子団体の全国出場は初めて。
松本市で行われ、開催県は2校が出場できた昨夏のインターハイは、全国でも上位の松商学園(松本市)に続く2枠目を目指したが、県大会の準決勝で長野日大に敗れて出場を逃した。インターハイには1、2年生5人が審判員として参加した。
3年生が引退し、新チームで臨んだ県新人大会(昨年9月)は、準々決勝で長野日大を下して夏の雪辱を果たすなどし、松商に次ぐ2位に。23年ぶりに出場した北信越大会(10月、富山県)は初戦を突破したが、順位決定戦で敗れて6位。全国に出場する5校に入れず、再び涙をのんだ。
推薦校の選考委員会は「昨年の夏の悔しさをばねにリベンジを誓って懸命に努力し、試合もガッツがあふれ、悔し涙から確実に実力を向上している」と評価。「インターハイ開催時も貢献し、全国大会に挑戦するチャンスを与えたい」と選出の理由を説明する。

団体戦は、各校のシングルス3人とダブルス2組が対戦するトーナメント。県ケ丘は2年生4人、1年生5人の部員全9人を出場登録した。第1シングルスで、一人だけ個人戦にも出場する町田莉良(りら)(1年)は、165センチの上背から繰り出すハイボレーや強打が武器。「1番手で緊張するが、気持ちで負けたくない。強豪が相手でもひるまず、攻撃的なプレーを」と力を込める。
左利きの第3シングルス・橋本成美(2年)は、丘中(塩尻市)軟式野球部で一塁手として全国大会に出場。「高校で新しいことにチャレンジしたい」と未経験のテニスに転向し、持ち前の体力と粘り強さで著しい成長を見せた。
部長も務める橋本は「全員が力を発揮し、チーム力で勝負したい。数少ないチャンスをいかに生かすか」と大舞台を見据える。
部OBで就任2年目の上條浩監督(61)は「昨夏に比べて皆、力強いストロークが打てるようになってきた。課題はサーブの精度。気後れすることなく、自分たちの力を出し切ってほしい」と話す。
全国選抜大会には関係分でほかに、松商の女子が北信越1位、男子が同4位で出場する。

出場メンバー(数字は学年)

柳澤柚希 2
市川千歳 2
橋本成美 2
内田薫美 2
町田莉良 1
柴田桜奈 1
須藤沙瑛 1
齋藤和泉 1
中島涼葉 1