白馬南小「裏山スキー場」続けたい

PTAや児童資金集めに奔走 伝統の授業これからも

白馬村神城の白馬南小学校校舎西側にある児童専用の「裏山スキー場」。ここで古くから続くスキー授業の継続などに向け、PTAや児童たちが資金集めに奔走している。
全長250メートルほどの緩斜面のコースで、滑走式リフトを備える。授業日は早朝からの圧雪作業、技術指導や安全確保のための立ち会いなど、保護者や地域も協力して“ご当地授業”を支えてきた。
維持費の多くはPTAバザーで確保してきたが、昨年度と本年度はコロナ禍で中止に。そこで6年生が企画、デザインした商品の販売のほか、クラウドファンディング(6日まで)も通じて協力を募っている。
取り組みは児童にとって、学びの場や校内環境がどう保たれ、どうつないでいくのかを考える貴重な機会にもなっている。

滑走技術を学ぶ専用のゲレンデ

白馬村の白馬南小学校へ取材に訪れた2月17日。雪の降りしきる中、6年生20人と「裏山スキー場」に足を運んだ。授業でアルペンやジャンプの滑走技術を学ぶ「専用のホームゲレンデ」だ。本年度はここでの授業は終わり、非圧雪のゲレンデには膝近くまで埋まる積雪。児童たちは元気いっぱいで、白馬が誇るパウダースノーと戯れていた。
村誌には、1913(大正2)年に当時の校長らがスキーを購入して学校近くで滑ってみせ、これが白馬山麓でのスキーの初めである旨の記載がある。古くから学校教育にスキーが導入されて今に続く。関係者によると、学校専用スキー場の存在は全国的にもかなり珍しいという。
スキー場の維持には、圧雪車やリフトの燃料、整備費など、年平均で40万円ほどが必要。例年はPTAバザーや資源物回収などで賄ったが、コロナ禍でバザーは2年連続中止に。PTAは知恵を絞り、児童企画によるオリジナル性と実用性を兼ねた商品を、カタログショッピングで保護者や関係者らに販売。併せて、クラウドファンディング(CF)でも資金を募る取り組みを発案した。
6年生は総合的な学習で販売商品を企画。家電メーカー勤務時代に商品企画の経験があるPTA会長の柏原周平さん(43、同村神城)の助言を受け、保護者らにアンケートをとるなど需要に沿った商品を考えた。
商品にあしらうキャラクターも児童が考案。校歌に歌われ、裏山スキー場にも育つスギにちなんだ愛らしいキャラ「杉ぼっくり」が誕生した。商品はTシャツ、スギ間伐材のコースター、真空断熱構造の水筒、トートバッグなどで、製作は業者に依頼。児童自ら交渉し、村内の店でも取り扱っている。

資金集めの目的断熱改修費にも

資金集めにはもう一つの目的がある。5、6年生の教室が入る木造校舎(築約30年)の断熱改修のためだ。白馬高校の生徒らが行った活動をヒントに、同小でも快適に過ごせ、CO2排出削減にもつながる断熱改修を計画。昨秋、住宅メーカーの助成金を活用し、6年生の教室窓側南1面の改修を、児童や保護者も参加して実施した。残りの面や他教室でも実施したい考えだ。
6年の草本にこらさん(11)は「スキー場は当たり前でなく特別なものだと分かり、なくなるのは怖いと思った」と話す。CFは目標の20万円を既に達成し、「大好きな裏山スキー場が下の学年にも楽しんでもらえ、教室が暖かく快適になることに感謝している」。6日まで、さらなる協力を呼び掛ける。
自身も卒業生の柏原会長は「周囲にも裏山スキー場の歴史や実情を知ってもらえ、子どもたちがSDGsへの意識を高める機会にもなった」。6年担任の上野直人教諭(31)は「維持費の現状や、販売して手元に残る利益なども知り、自分事として考えられた貴重な経験だったのでは」と話している。
詳細はCFのサイトで。