第一・北原 松商・上條 柔道全国高校選手権出場

柔道の第44回全国高校選手権(3月20、21日、東京・日本武道館)に中信地区から、男子個人60キロ級の上條颯(はやて)(松商学園2)、同81キロ級の北原想大(そうた)(松本第一1)が出場する。予選の県大会(1月15日、佐久市)で各階級を制し、初の全国切符を手にした2人は「出場を逃した団体や、仲間の分まで力を尽くす」と闘志を燃やしている。

60キロ級に上條 一本背負いで

上條は県大会決勝で、新人戦(昨年11月)覇者の金井平良(東海大諏訪2)に大外刈りで技ありを奪って優勢勝ち。新人戦の準決勝で金井に敗れた雪辱も果たした。
1回戦と準決勝(2回戦は不戦勝)は3分間で決着がつかず、時間無制限のゴールデンスコア(GS)方式の延長戦にもつれ込んだが、1回戦は押さえ込みで一本勝ちし、準決勝は一本背負いから大外刈りを決め、技ありを奪った。「押され気味だった初戦を、我慢強く勝ち切れたのが優勝につながった。自信が付き、勢いに乗れた」と上條。
小学1年生の時、3歳上の兄と共に塩尻市の長野誠心館道場で競技を始めた。丘中2年時の新人戦で県2位になると、3年時に全国中学大会に初出場するなど、めきめきと力を付けた。
得意の一本背負いは「自分の釣り手が持てれば、どこからでも仕掛けられる」と自負する。課題は組み手といい、「雑にならないようにしっかり強化し、先に主導権を取りたい。まずは1勝」と気持ちを引き締める。

81キロ級に北原 先輩の思いも

北原は、県大会は決勝まで全3試合で一本勝ちし、1年生ながら強さを見せつけた。初戦の2回戦は開始早々、大内刈りと押さえ込みの合わせ技で一本。準決勝は、昨夏の全国総体16強の中里魁斗(佐久長聖2)を相手に「技を決めきれなかった」(北原)が、相手が体勢を崩したところを押し込んで一本。決勝は、中学時代の出稽古で互いに手の内を知る牛山魁人(東海大諏訪1)に、開始20秒余で得意の内股を決めた。
中野市出身。5歳から地元の道場で競技を始めた。小学生時代は学年別の県大会を6連覇し、4~6年時は県選抜の団体メンバー。個人の全国優勝を目指し、昨年の全国高校選手権無差別級に出場した2歳上の兄、楓大(ふうた)を追い掛けて第一高へ。昨夏の県総体はまさかの1回戦敗退を喫し、悔しさをばねに稽古に励んだ。
身長178センチ。長い足と体格を生かした内股が武器。新型コロナ感染の大会規定により、昨夏の全国総体に出場できなかった兄や先輩らの思いも背負い、「全国で一つでも多く勝ち進み、上位を狙う」と意気込む。