「子どもとメディア信州」代表・野沢中学校長 松島恒志さんに聞く─ 子と情報端末 つきあい方は

子どもたちの生活でも身近になったスマートフォン(以下スマホ)やタブレット、ゲームなどの情報端末。便利に使える半面、長時間の使用による依存やインターネットを通じたトラブルなど保護者の心配は尽きません。家庭でできる取り組みについて、「子どもとメディア信州」代表で野沢中学校(佐久市)校長の松島恒志さん(59)に聞きました。

親子で話し合いルール決めて

学校教育のICT(情報通信技術)化に向けた取り組みとして、県内でも小中学生への一人1台タブレット端末の導入が進むなど、もはや子どもたちにスマホやタブレット端末等を持たせない、使わせないという時代は終わったといえます。これからは、どうコンロールしていくか、使いこなしていくかを考える時代です。
しかし、それらの使用に当たりマナーや決まり(法的なものも含む)、危険性や身を守るすべ、健康や生活リズムへの影響などについて学ぶ「情報モラル教育」が追いついていないのが現状です。
各家庭でできる取り組みとしては、まず「使う方法や場所、時間などについて親子でしっかり話し合い、それぞれの目的や事情にあった機器の選択や、使用にあたってのルールを決めること」です。ただし、大人から子どもへ頭ごなしに押し付けたり制限したりするのではなく、子どもの発達段階や、特性をよく考慮した上で本人の主体性を大事にするようにしましょう。
子どもが自分で使い方などを決めて、自分でコントロール(守る)という意識を持てることが大切です。とはいえ、子ども自身がコントロールするのは難しい場合もあります。そんなときは、ペアレンタルコントロールを使うとよいでしょう。これは「保護者が子どもの使用をコントロールする」という意味です。
今、ほとんどのWi-Fiルーター、スマホ、タブレット、ゲーム機などにはその機能がついていて、▽フィルタリングをかける▽接続可能時間や時刻を設定▽アプリごとに使用可能時間を設定▽アプリの使用状況の管理・確認─ができるのです。多くの子どもは心のどこかに「使い過ぎている」「心配だ」の不安を感じているので、親子で話し合って設定すれば効果的です。

ゲームと学力 関係性知って

まだ危機感がないという保護者も、学力との関係を知ると子を持つ親として切実になります。国が小学6年と中学3年を対象に行う全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果では、1日4時間ほど情報端末などでゲームをする子と、全くしない子の差は1教科につき平均15~20点ほど、5教科で換算すれば100点近く、しない子が上回ります。
また、「子どもとメディア信州」と県、県教委が協力して行った10万人規模のアンケート調査結果からは、依存症傾向の児童生徒数は小学生から年を追うごとに増え、受験生である中学3年生が最も多くなっています。「一度はまると抜け出せない」ことを示しているといえます。
こうなる前にできること、それは発想の転換です。前述の「コントロール」をした場合、子どもは「他にやることがない」という反応に陥ることが多くあります。やることがたくさんあればゲームやネットばかりに夢中にならないはずです。ここで保護者の出番です。
一緒に買い物、料理などの楽しいお手伝い、親子で工作、おうちカラオケなど、保護者が努力すればやることは増えます。うまくいけばその子の趣味や特技に発展することも…。
イチロー選手、御嶽海関、平野歩夢選手を見ても親の影響は大きいですよね。現代社会に欠かせない情報端末との付き合い方は、子どもの成長に保護者が上手に関わることがポイントだと思います。

学習会や講演 親子向け本も

「子どもとメディア信州」では、教員や保育士、医師、PTAなどがインストラクターとなって、小中学生やその保護者、地域を対象に情報モラルに関する学習会や講演会を行っています。問い合わせは専用TEL090・4224・7571
また、松島さんが執筆した「親子で考えようスマホの使い方」(子ども編と大人編の2冊組み。信州教育出版社、1980円)が3月に出版されました。収益は「子どもとメディア信州」を通して情報モラル教育の啓発に充てます。