4世代でつなぐ山形村の理美容店「ソルシエール」

山形村上竹田にリニューアルオープンした理美容店「ソルシエール」。新店舗は、理容と美容、エステ、ネイルをワンフロアで提供する県内でも珍しい形態だ。
理容と美容の両免許を持つ古畑たえ子さん(72)と、娘の古川みかさんの2人が店を支える。古畑さんの母が創業し今年で66年目。古畑さんは2代目、古川さんは3代目だ。そして、古川さんの息子の龍吉さん(21)、娘の蒼さん(19)も同じ道を目指している。
楽しそうに働く母、お客の喜ぶ顔、長い間支えてくれている地元の常連さん…。2代目から「4代目」まで、いずれもそうした姿を見て、自然と同じ職業を志すようになった。
これからも「地域の人から愛される店に」と、4世代でつないでいく。

母の「働く姿」に自然と同じ道へ

昭和に撮影されたモノクロの写真の中で、真剣な表情で客の顔をそっている割烹(かっぽう)着姿の女性。写っているのは、現在の「ソルシエール」を創業した古畑すゞ子さん。66年前、理容室として店を始めた当時、村内に理容室は少なく、娘の古畑たえ子さんの友達など近所の子どもから大人までにぎわったという。
たえ子さんは「母の大変な面も見てきたが、お客さんが喜ぶ姿を見て自分もやりたいと思った」と、理美容免許を取得。古川みかさんも「母の働く楽しそうな雰囲気が好き」で自然と同じ道に入った。新たにエステのメニューも取り入れ、すゞ子さんが亡くなった後も2人で「カットサロンフルハタ」を経営。リニューアルに伴い店名を「ソルシエール」に変えた。
古川龍吉さんと蒼さんは都内で修業中。龍吉さんは美容専門学校を卒業後、関東に約20店舗展開する美容室で現在アシスタント兼アイリストとして仕事に励んでいる。「東京で経験を積んで帰ってきたら、若者らしい今のはやりなども発信していきたい」。現在、理容専門学校に通う蒼さんは「目標があった方が自分に厳しくできる」と前向きだ。「ばあちゃん(たえ子さん)が元気なうちに戻って一緒に店を盛り上げたい」と意気込む。

孫の技術に刺激活躍を楽しみに

帰省時には2人とも家族間でカットやカラー、顔そりなどを練習したり、東京で習ったやり方を披露したり。家族で将来や美容について話し、盛り上がっている。「技術やスタイルなど、こちらも孫から刺激を受けています。日々勉強です」とたえ子さん。「4代目」として戻ってきたら、サポートしながら見守りたいとしている。
3世代全員が口をそろえて「アットホームな空間が好き」と話す同店。取材中も4人の笑い声が絶えない温かい空間だった。
新店舗は、2人が帰ってくることを前提に4人で内装やデザインを決めた。木目調の家具、白壁に差し色の緑を取り入れた落ち着いた空間だ。理容・美容だけでなく、エステティック、ネイルなど、幅広い「美容」を提供している。リニューアルに際し、新メニューとして、炭酸水で頭をつけ込み、掛け流す「頭浸浴(とうしんよく)」(セットで1000円、単品2000円)も加わった。リラックス効果が味わえる。
「地域に愛される昔ながらの雰囲気を大切にしつつ、それぞれの世代が学んだことを生かせる店になれば」とみかさん。4世代目が店に立ち、また新たな風を吹き込む日も、そう遠くない。