平和祈る歌声-ウクライナ出身の歌手オクサーナさん来月松本公演

安曇野の団体いち早く企画

「長野県の皆さんと一緒に、平和を祈りたい」
ウクライナ出身で、東京を拠点に活動するソプラノ歌手オクサーナ・ステパニュックさん(44)。松本でもこれまでに何度もステージに立ち、美しい歌声を響かせてきた。
ロシア軍のウクライナ侵攻で胸を痛めているオクサーナさんを支援しよう|と、安曇野市の音楽愛好家らでつくる「安曇野楽友会」(百瀬康雄会長)が4月10日、松本市のキッセイ文化ホールでチャリティーコンサートを開く。その様子はYouTubeでもライブ配信する。
オクサーナさんは、2011年に発生した東日本大震災の被災地を歌で勇気づけたい-と、毎年支援を続けている。今は母国の惨状の中、公演を通じて信州・松本から平和と支援の輪を広げていく。

松本で長年公演慈善企画に感謝

オクサーナ・ステパニュックさんの古里シニャワ村は、ウクライナの首都キエフから約80キロ南にある。両親は今も、ロシア軍の攻撃におびえながら実家で暮らしているという。
今、オクサーナさんのファンが主催するウクライナ支援のチャリティーコンサートが首都圏で次々と立ち上がっている。そんな中、いち早く開催が決まったのが松本公演だ。
企画した安曇野楽友会は、合唱がある西洋古典派音楽の公演を2008年からキッセイ文化ホールで開いてきたボランティア団体。オクサーナさんは、ベートーベンの「交響曲第9番」を披露した12年の公演を皮切りにこれまで3度、同会の公演に出演してきた。
事務局の高坂邦彦さん(81、安曇野市三郷小倉)は、ウクライナ侵攻のニュースを聞くとすぐオクサーナさんに電話し、チャリティーコンサートにつなげた。「心が震える感動的な時間をオクサーナさんから何度もいただいた。今度はこちらが何か力になれたら」と高坂さん。オクサーナさんは「松本は古里と雰囲気がよく似ていて大好きな場所。チャリティーコンサートをすぐ企画してくれたその気持ちがすごくうれしい」と感謝する。

世界各国で演奏被災地の支援も

ウクライナを代表するソプラノ歌手のオクサーナさん。08年に日本へ移住し、10年からはオペラ歌手としても活動。コロラトゥーラと呼ばれる高音で技巧的な歌唱を武器に、ヴェルディ作曲「椿姫」のヴィオレッタ役など大役を務めている。
精力的なチャリティー活動も行い、東日本大震災被災地支援はもちろん、親を亡くした子どもの支援にも関心を寄せる。シリアやカンボジアなどでもチャリティーコンサートをしたり、CDの収益金の一部を原発事故のあったウクライナ北部、チェルノブイリの子どもたちの支援に充てたりしてきた。

コンサートは「オクサーナ、アヴェマリアを歌う」と題して、愛や希望がテーマの曲を歌う。カッチーニやピアソラ作曲のアヴェマリアのほか、「椿姫」をはじめとしたオペラアリアやウクライナ歌曲も歌う予定だ。
母国で開くコンサートで日本の歌を歌うなど、歌を通して両国の懸け橋としての活動もしているオクサーナさん。「聴いた人が幸せな気持ちになるような歌、ずっと心に残って人生を支えてくれるような歌を届けたい。それが平和につながると信じています」と力を込めた。
午後2~4時。会場受付に入場料(2000円~)を投じる箱を設置する。ライブ配信の視聴はYouTubeから。問い合わせは高坂さんTEL090・1868・9215

【プロフィル】オクサーナ・ステパニュック 02年、国立ウクライナ・チャイコフスキー音楽院声楽科と器楽科(バンドゥーラ)を卒業。国内外の数々のコンクールで優勝を飾り、11年には母国からウクライナ功労賞を贈られた。