高橋家に伝わるひな人形初公開

江戸期「享保びな」以降の特徴

松本市重要文化財の高橋家住宅(開智2)で、同家に伝わるひな人形が初めて公開される。19日から開く「武家住宅でひな祭り」の催しで、月遅れのひな祭り(4月3日)に合わせて企画。端正な武家住宅に、華やかなひとときが訪れる。
松本まるごと博物館の一施設として活用を模索する中、高橋家や城北公民館などの協力で実現した。展示するひな人形は座りびな6体。色はくすんでいるものの、豪華な雰囲気が漂う。江戸時代の享保年間(1716~36年)からはやりだした「享保びな」以降の作品とみられる。
ほかに、押絵雛(おしえびな)や近くの住民が保存するひな人形も展示する。
同住宅の一般公開は土、日曜、祝日に限られ、4月10日まで計9日間の展示となる。

月遅れひな祭り同家慣習を再現

松本城に近い旧徒士町(おかちまち)にある高橋家住宅は、現存する武家住宅としては県内で最も古い建物とされる。同家ではかつて、月遅れのひな祭りを行っていたという。それを再現したのが、19日から始まる「武家住宅のひな祭り」だ。
16日は高橋家住宅を担当する松本市教委の遠藤正教学芸員(38)、催しを提案した尾崎道雄さん(58、島内)らが飾り付けをした。
「おくのま」に展示する高橋家のひな人形はお内裏さまの男びな、女びな(幅約26センチ、高さ27~28センチ)、右大臣、左大臣と三歌人(2体)の計6体。中でも女びなの天冠は豪華だ。作られた年代は不明だが、遠藤さんは「『享保びな』以降の華やかな人形の特徴が表れているのではないか」とみる。

松本押絵雛ほか他家保存人形も

高橋家に伝わる松本押絵雛も7体、ケースの中に陳列。押絵雛は江戸末期から明治時代にかけて盛んに作られ、それを最初に担ったのが藩士の家の人々だったとされる。
さらに、高橋家住宅と同じ旧徒士町に住む三村洋さん(81)が、保存する内裏びななど7体も展示。明治時代の作とみられ、「日本の豊かな文化をあらためて認識する良い機会」と三村さん。
ひな祭りは、市教委が高橋家住宅の活用を検討している旨を耳にした尾崎さんが「季節の催しをやったらどうか」と提案。近くに住む高橋家にひな人形が保存されていることが分かり、具体化した。
尾崎さんは「高橋家の存在を多くの人に知ってもらう一つのステップとしての催しができた」、遠藤さんは「市民に武家文化の一端を感じてもらいたい。高橋家住宅の活用の第一歩になれば」と話している。

【高橋家住宅】松本藩が所有していた藩士のための官舎。建築年代は17世紀前半から享保11(1726)年までの間と推定される。昭和44(1969)年、市重要文化財に指定。2004年に高橋家から市に寄付された。09年5月から一般公開しているが、最近は市民の利用も少なく「活用」が課題となっていた。
開館は土、日曜、祝日の午前9時~午後5時(入館は4時半まで)。観覧無料。問い合わせは国宝旧開智学校校舎TEL0263・32・5725