【働くママ・パパ】銀行員、経営者を経て小学校教員 小林淳一さん

夢の実現へ広い視野大切に

昨春から小学校の教壇に立つ山形村の小林淳一さん(49)は、少し変わった経歴の持ち主です。銀行を辞めて起業し、2人の子どもが生まれると学び直して教員免許を取得しました。夢をかなえた現在は、広い視野で子どもたちと向き合っています。

★銀行員から教員へ
幼い頃から動くことが大好きな小林さん。中高生時代はソフトテニスに打ち込み、大学では国際関係を学ぼうと国際基督教大学(東京)に入学。勉強と共に硬式野球部で汗を流し、青春を謳歌(おうか)します。
卒業後は地元に貢献したいと八十二銀行に就職。支店や本部などで働いて13年たった時、転機が訪れます。
それは海外で子育てをした高校の同級生からの、「オランダにはベビーカーのまま子連れでも気軽に入れる飲食店がある。松本にもあった方がいい」という一言。
当時は独身でしたが「子育て世代の役に立つのなら」と、親子がくつろげるカフェの経営を決心。迷わず銀行を退職し、店で提供するドリンクや料理などの基本を学ぶため、専門学校のレコールバンタン東京校に入学します。
半年間通いながら建築士と打ち合わせ、2008年11月、松本市石芝に「おさんぽカフェ」をオープン。開店祝いに訪れた大学の同窓生、早苗さんと翌年入籍し、10年に長男大地君(11、小学5年)、13年に長女未来さん(8、同2年)が誕生します。
店には大勢の親子・家族が訪れますが、時代とともに「子ども連れ」を歓迎する店が増え、大地君が小学校に入学する頃には「自身の役目は終わった」と感じ始め、閉店を決めます。
そして「次は成長していく子どもたちに関わる初等教育に携わりたい」と小学校教諭を目指し、店を続けながら明星大学(東京)通信教育課程に入学。1年ほど学んだ19年9月に店を閉じ、その後は半日アルバイトをしながら1年間勉強を続け、教員免許を取得。昨年4月から芝沢小学校(松本市)に勤務しています。

★教員の仕事
「学校現場は分刻みで、今の私は息つく間もありません。先輩の先生方には本当に頭が下がります」と小林さん。今の仕事が一番大変と言いつつも、「やりがいは一番あります。退職後も教育に携わっていきたい」と目を輝かします。
さらに「目標は生涯現役で教育現場に立つこと。地域の人々と子どもたちのために、自分の力を使いたいです」。

★家族と過ごす時間
経営したカフェは「親子のオアシス」がテーマでしたが、小林さんの休みは平日の週1日。土日に子どもを遊びに連れて行くのは専ら早苗さんでした。
それでも朝時間を活用して大地君とマラソンをしたり、川へ釣りに行ったりして一緒に過ごす時間を確保。その時からの子どもとの入浴タイムは今も続けています。
「私のやりたいことを理解してやらせてくれた家族には、本当に感謝しています。その気持ちを伝えたいので、妻の誕生日と母の日にはいつもサプライズを用意。結婚10周年の記念日には子どもと一緒にプレゼントを選び、喜んでもらいました」