【中村小太郎・駆け出し百姓の自然農奮闘記】#25 コンパニオンプランツ

コンパニオンプランツ。直訳したら仲良し野菜でしょうか。自然農法家の知恵を集約したものです。
無農薬、無施肥、不耕起、自家採種が自然農の進め方。防虫に薬品を使わないので、虫を見つけたら酢が主成分の「無農薬農薬」を散布したり、見つけたら「テデトール(手で取る)」したり、手間のかかることばかり。コンパニオンプランツは、共存植物や共栄植物と言って、近くに植えて虫の被害を抑えます。
早春のこの時季に何より楽しいのは畑の設計図づくり。つるで上に伸びたいもの、地を這いたいもの、横に枝葉を伸ばしたいもの、水が好きなものと嫌いなもの、それぞれです。そこにコンパニオンプランツの考え方をプラスして、設計図を決めていきます。
この分野の研究は近年進んでいて、例えばチョウが好きなアブラナ科の作物の近くにキク科のレタスや春菊を植えると、香り成分で虫が嫌がります。逆もあります。キャベツは生育を抑制する物質を発していて、近くのジャガイモが育たなくなってしまいます。
きれいなお花も同様です。マリーゴールドの殺虫成分は強力で、土壌有害線虫(その名もネグサレセンチュウ)がいなくなります。自然農家の畑にお花が多いのは理由があったんですね。
コンパニオンプランツの組み合わせは、その土地で何百年も言い伝えられている伝承農法が元になっています。やはり農業は共生社会なのだと先達に感謝します。