
心も体もスッキリ
気分がリフレッシュして、爽快感に浸れることを指すサウナ用語「ととのう」という言葉とともに最近ブームの「サウナ」。記者の周りでも頻繁に足を運ぶ「サウナー」は男女問わずじわっと増えている。高温の部屋でじっくりと汗をかくサウナ。その魅力と効果や注意点などについて聞いた。
松本市の会社員、竹前孝洋さん(25)と阿部好成さん(25)は昨年11月からのサウナ仲間。お気に入りの「プライベートサウナ・タビシロ」(城西1)以外にも、2人でさまざまな施設を巡る。
特に疲れがたまっている時に行きたくなるという竹前さんは「疲れや不安を取り除くリセットボタンです」。頭がスッキリし、体も軽くなるという阿部さんは「心と体へのご褒美です」と、2人とも魅力にはまっている。
入浴後、栄養ドリンクをスポーツドリンクで割ったものを飲み、ビタミンやミネラルを補給する。
サウナ歴11年という塩尻市の会社員、犬飼祐貴さん(29)は「心も体もスッキリします」と、仕事終わりに1人や、仲間と一緒に週4回は通うかなりのヘビーユーザー。大きな風呂が好きで通っていたらいつの間にかサウナにはまった。お気に入りの施設は「林檎(りんご)の湯屋おぶ~」(松本市石芝3)。サウナに10~15分、水風呂に1分入ってから外気浴5分で「ととのえる」。「水風呂が最高に気持ち良く、一番好きな瞬間」という。
松本市の56歳女性は、サウナ歴4年。若い頃は「サウナ=男性のもの」というイメージから、女性のサウナ室は誰もが入れる雰囲気ではなかったという。しかし今では、女性ファンも増えて仲間意識のようなものが生まれ、心底楽しめるという。
お気に入りの施設は「湯の華銭湯瑞祥」(渚1)。週1回ほど通い、サウナに7~10分、水風呂に約30秒入ってから、外気を浴びて約5分、「ボーっと」する。日頃のイライラやモヤモヤが忘れられ「ただただ気持ちいい。心の底から解放された感じ」と「ととのって」いる。
サウナのこころえ
サウナの効果や入り方、入る際の注意点を「日本サウナ・スパ協会」(東京都)理事の若林幹夫さんに聞いた。
【効果】
サウナは発汗によって老廃物が排出されます。サウナと水風呂を交互に繰り返し入る「交代浴」を行うことで、血行が促進され、血圧改善、美肌効果、冷え性改善、肉体疲労の回復などが期待されます。自律神経が整い、睡眠の改善やストレス解消などの効果もあります。また、体が本来持つ、体温を調節する「サーモスタット」の働きを呼び覚まします。
【基本的な入り方】
①シャワーを浴びて全身を洗い、よく拭いてからサウナへ
②サウナの入浴時間は8~12分程度が最適だが、自分に合った時間で(15分以上入ると疲労が上回る)
③サウナから出たら、シャワーなどで汗を流してから水風呂に入る。水風呂に直接入るのはマナー違反で、心臓にも負担がかかるためやめる
④水分補給をした後、湯冷めしないように30分ほど休憩し、心身共に「整える」
【注意点】
▽食後の満腹状態では入らない。1、2時間食休みをしてから
▽飲酒後の入浴はNG
▽過度の疲れや興奮状態のときは、15~30分ほどリラックスしてから
▽ネックレスや指輪などのアクセサリーは、やけどの原因になるため外す
※サウナ入浴を生活リズムに取り入れる場合、週に2回ほどが理想とされています。入浴すると大量の水分と一緒に、ビタミンやミネラルなども失われてしまうため、出てからフレッシュジュースなどで水分補給をすると効果的です。