王滝にワーケーション施設 新事業で活力を

王滝村にある御嶽スキー場近くの別荘地。その一角に、旅先で仕事をする「ワーケーション」の施設が開業した。設けたのは、マーケティング系コンサルタント業を営む谷田泰郎さん(60)と有紀子さん(51)夫婦。県外からの移住組が、新たな視点で村の活力向上に一役買おうとしている。
ワーケーション施設には、谷田さん夫婦の住居兼オフィス「ことのは研究所」内の2部屋を充て、利用者向けの共有スペースも設けた。1日4400円の利用料で提供。ワーケーション利用を村内に呼び込むと共に、利用状況を調べて分析し、結果を今後に生かす。
谷田さん夫婦は昨年秋、奈良県から移住。同研究所は、約35年間、自然言語研究者としてコンピューターによる音声認識や機械翻訳などに携ってきた泰郎さんが2020年に奈良で設立した。コロナ禍で打撃を受けた観光業や高齢層から若年層への顧客開発など、マーケティング分野での助言・指導などをしている。
研究開発で気が休まらず、心身の疲労を感じていた泰郎さん。コロナ禍でリモートワークが広がったことなどもあり、自然の中で仕事をしながら暮らしたいと、移住を決心。研究や事業ができる場所を求めて全国各地を探し、御嶽山の麓にある王滝村の環境に引かれて移住した。
同村への移住者はこれまで農業や観光業関係が多く、村内で旅館を営む胡桃澤公司さん(54)は「全く想定していなかった業種の方に来てもらえた。ワーケーションの動きは今までなかったので大歓迎」。谷田さんは村商工会に加入し、住民が地域課題を話し合う場にも参加している。
クラウドファンディング(CF)サイト「READYFOR(レディーフォー)」も活用し、ワーケーションに長期的に取り組み始めた谷田さん。「(活動を通して)村のファンを増やしたい」と、新しい風を吹かせる意欲を口にした。