【像えとせとら】交通安全の人形(大北地域)

小さな体で児童生徒見守り続け

横断歩道脇でランドセルを背負った女児が右手を上げ、道路を渡る意志を示すしぐさの人形。大北地域ではよく見掛け、小学校や保育園の近く、通学路などに立つ。
本物の子どものようにも見え、特に暗い時間帯はドライバーも口々に「どきっとした」。松川村の30代女性は「夜道を運転中、彼女の顔が浮かび上がって息をのんだ」という。注意喚起の効果は高く、小さな体でかなりいい仕事をしているようだ。
高さは台座を含めて140センチほど。ランドセル部分が横断旗入れになっている。
行政や交通安全協会が設置。松川村には2005年度から現れ、池田町は横断歩道での交通事故を機に07年度から置いている。現在は両町村ともに8体ずつある。
「寒い中に立たせておいてかわいそう」と心配する電話が役場に入ったこともあったが、「目立ってもらうことがお仕事なので」と同町住民課環境整美係の塩嶋康彰係長(50)。盗難や“負傷”の憂き目に遭った人形もいるが、今日も元気に手を上げる。
「安全ガール」が名称のようだが、松川村では「みちこさん(ちゃん)」と呼ぶ人も。冬には誰かがマフラーを巻いたり、落とし物が掛けられていたり。村の女子中学生は「普段は意識しないけれど、安全を守ってくれている存在なのかな」。
もうすぐ新学期。これからも児童生徒を見守り続けてほしい。
(おわり)