【子育ての呪い捨てませんか】 マザーズコーチング和田春菜さんに聞く(5)

「みんなと違う」は怖い?

みんなと違う意見だと気付いたとき、それ自体に恐怖を感じることはありませんか?みんなと一緒が安心、違うのが怖いという価値観は、和を大切することで文化をつないできた日本が、必然的に紡ぎ出したものかもしれません。しかし、未来を生きる子どもたちに、この形のまま手渡していいのでしょうか。
前回お伝えした通り、人はそれぞれ全く異なる性質があるため、異なる考え方をするのも当然です。考えること、感じること自体に善しあしはありません。
これからの子どもたちが生きていくのは多様性の時代です。自分は人と違って当たり前。違いを非難し合うのではなく、違いを受け入れ合う柔らかさが必要です。その違いを持ち寄って新しいものを一緒につくる豊かさを伝えていくことが、幸せに生きる力を育むことにつながっていくはずです。
子育てでは、「みんなと違うよ」「みんなはできてるのに」といった言葉を言いがちです。まずは「みんなと同じでなければいけない」という価値観を植え付けそうな言葉に気を付けてみませんか。
日本人を海に飛び込ませるには「みんな飛び込んでいますよ」と言うとよい、という話をよく耳にします。「みんな」を判断のよりどころにしてしまうと、選んだものが間違っていた時に全員が共倒れしてしまいますよね。ドイツでは先の大戦の学びから、たった1人でもみんなと異なる意見を言えるような教育をしているそうです。
みんなを根拠にせず、自分の意思を根拠にあらゆる選択をすることは、自分で考える力を磨くことにも大きくつながっていきます。