「やってみたい」を後押し 荷詩樹家プロジェクト

人と関わる面白さと可能性

いろんな人の「やってみたい」を応援したい─。そんな思いを実現する拠点が池田町池田に誕生した。
「荷詩樹家(にしきや)SPACEs」プロジェクト。東京出身で、横浜、山梨、池田町でフリーランスとして「3拠点生活」を送る西窪彩恵さんが、県内外の仲間に持ち掛けて始まった。西窪さんの祖父が20年ほど前まで営み、その後空き家になっていた園芸店「錦花園」の建物を改装。「荷詩樹家」と名付け、プロジェクトの拠点とした。
「来る人がほっとするような居場所」(西窪さん)を提供することで、店の開業など、多くの人の「やってみたい」を後押しする同プロジェクト。そしてその取り組みには、西窪さん自身の「やってみたい」も、もちろん含まれている。

1階に2店始動庭などの活用も

「荷詩樹家」は、延べ181平方メートルの木造2階建て。「継承」をテーマとした、プロジェクトセンターのような場所だ。人生で「いつかやってみたい」と思いながらも、かなえていないことを実際にやってみたり、誰かのプロジェクトを手伝ったりする。
2月、1階にオープンしたコーヒースタンド「イノシカ珈琲(コーヒー)」もその1つ。コーヒーが好きで接客業にも憧れていた大波多萌(めぐみ)さんの「やってみたい」を、荷詩樹家で形にした。4月からは、ハーブやスパイスを使った日替わりモーニングやランチも始めた。
西窪彩恵さんと友人の大波多さん。自身も、東京、沖縄、池田町で「3拠点生活」を送りながら、店主として自身のコーヒースタンドを切り盛りする。
このほか、6月には器や生活雑貨などを販売するセレクトショップ「青稲舎」も1階部分にオープンする予定だ。都内のアンティークショップに勤める有川萩麻さん(24)が、「将来民芸品などを扱う自分の店をやりたい」と西窪さんに話したことから動きだした。
現在進行中のプロジェクトはこの2つ。今後、荷詩樹家西側の庭を活用し、農家と連携しておいしい野菜やフルーツソース、ジャムの製造販売や量り売りの八百屋の経営なども検討。コワーキング&コミュニティースペースとしての活用も考えている。

自ら物を作る楽しさを実感

西窪さんにとっての「やってみたい」は、「人と一緒に過ごすこと」。1人でいる時間も大事だが、「自分にない才能を持った人と関わることには、未知の面白さと可能性がある」と話す。「目の前のことに集中できるプロジェクトのある人生は楽しい」とも。
2年前にインドで、食料やエネルギーを可能な限り自給するなどして、環境負荷の少ない暮らしを送る「エコビレッジ」をつくる取り組みに参加した西窪さん。その時に、自身の手で物を作る楽しさを実感したという。
約20年間ほとんど手付かずで、古い物があふれ、壁や床などの内装もかなり傷んでいた祖父の園芸店。インドで出会った仲間たちと一緒に、片付けや塗装などの内装整備を施し、荷詩樹家として再出発した。
相談や問い合わせは「荷詩樹家SPACEs」のウェブサイトインスタグラムから。