【なないろキッズ】 #70 思春期に起きやすい不調

発達障害と直接関係するわけではありませんが、今回は思春期ごろに起きやすい体の不調の一つ、「起立性調節障害」についてお話しします。
10~16歳ごろに起きやすく、軽い症状の方も含めると小学校高学年で5%程度、中学生では10%の方に症状がみられるといわれます。体が急速に大きくなることに、内臓の動きをつかさどる自律神経の調整が追い付かずバランスが崩れることによって起きます。
主な症状として、立ちくらみ、立っているとくらくらして気分不良になる、朝起きられない、体がだるくて動けない、頭痛、おなかの不調などがあります。
症状は一般に、朝から午前中に悪化し、午後から夜にかけて軽快する傾向があります。朝は起きられず、起きられても身体不調で学校に行きにくいのに、学校が終わるころの時間帯になると元気に活動できるようになるといったことがしばしばあります。
このため、怠けているとか、学校に行きたくないから症状を訴えていると誤解されやすいところが、起立性調節障害の方のつらいところです。本人が意図しているわけではなく、身体の不調がそのようなリズムで起こりやすいのです。
このような症状が続いて日常生活に支障を来している場合、小児科を受診し、医学的に重症度やタイプなどの評価を受けるのがお勧めです。そうすることで、今後の見通しをつけたり、診断書があれば学校の配慮を受けやすくなったり、生活面の相談ができたり、といったメリットが出てきます。
薬物療法は、血圧を上げて立ちくらみを軽減するぐらいで、正直なところ薬のみで劇的に改善して普通の生活に戻れることのほうが少ないです。
また症状はストレスによる影響を受けやすいです。ストレスの評価を受けたり、対策を相談したりすることもできるのでご相談ください。