Xジェンダーいしださん フリーペーパーで発信

安曇野市など松本平一帯で配布されているフリーペーパー「月刊いしだゆずま」。発行しているのは、性自認が男性でも女性でもない「Xジェンダー」である、いしだゆずまさん(25、同市穂高)だ。フリーペーパーのコンセプトは「私をさらけ出すことであなたとつながりたい」。
「月刊いしだゆずま」は、知人の店でフリーペーパーを手に取る人を見て、「自分の特性を書き、地域に当たり前に住んでいることを知ってもらおう」と1週間で創刊した。
物心ついたころから自分のセクシュアリティーに違和感を抱き、高校の授業でXジェンダーだと気づいた。男性的な出生名が嫌で、19歳の時、中性的な響きでさわやかなイメージの「ゆず」に、出生名の頭文字を付けた「ゆずま」と改名。2月の創刊号は、そうしたことから書き始めた。
ほかに、仕事や友人のことも。「できないことの怖さを緩和するヒントになれば」と、時計型のウエアラブル端末を使うことで、忘れ物の多さが解決できたことなどを書いた。「今、できないことを克服できる技術があって幸せ」と明るい。
毎号、五つのトピックを掲載。「男性」の体から離れる目的で打つ注射に関する「女性ホルモンルポタージュ」もその一つだ。
いしださんは、男女の欄に印を付ける際など、今も「きついな」と感じる場面は多いという。だが、その理由などを自分なりに理解し、折り合いをつけている。5年間過ごした東京から安曇野に戻り、深い生きづらさと向き合いながら、多くの人との関わりの中で「居場所」を見つけた。そして、デザイナーやイラストレーターの仕事をしながら自分らしく生きている。
「月刊|」は毎月初めに約300部作り、地域のカフェや病院、学校の保健室など15カ所に置いているほか、ウェブサイト=こちら=でも公開。現在、置いてくれる場所を募っている。