「鬼伝承」写真や地図で 来月22日まで郷土博物館で企画展

安曇野市の豊科郷土博物館は5月22日まで、春季企画展「八面大王と田村麻呂」を開いている。絵地図を読み解いて発見した「八面大王」の祠(ほこら)や、史料「信府統記」(1724年完成)に書かれた鬼伝承と古代の武将・坂上田村麻呂に関する話などを写真や地図で紹介。約100年前に童話として雑誌に載ったことにも触れている。
現代の安曇野市には、「魏石鬼(ぎしき)」と呼ばれた鬼と、神として祭られる「八面大王」が混在。時には、両方が一体化していることもある。
2018年、江戸時代の絵地図を見ていて犀川の河原に小さな祠「八面大王」が描かれているのを見つけた同館の原明芳館長は、「現在は川筋も変わり、その祠はないが、犀宮神社(明科中川手)の境内には『八面大王鎮座』の文字が書かれた祠がある」と話す。
一方、信府統記には「魔道王」「魏石鬼」などの名で、西山山麓の鬼が書かれている。展示ではさらに、鬼を倒したとされる坂上田村麻呂を祭った田村堂が若澤寺(松本市波田)にあることや、鬼の首を埋めたことに関わる筑摩神社(同市筑摩)、耳を埋めたという耳塚(穂高)にも触れている。
原館長は「人々は中房川、犀川の氾濫から鬼を想像し、犀川を守る神として八面大王を祭り、そこに鬼退治の話などが加わったのでは」と推測。
熱心に展示を見ていた坂槇たけ代さん(65、豊科)は「今の子どもたちが、こういうものに興味を持ってくれれば」と願っていた。
午前9時~午後5時。高校生以上100円。月曜と5月6日休館。同館TEL0263・72・5672