日本語学習サロンが世界の料理レシピ集

ベトナム、アルゼンチン、台湾、マレーシアなど9カ国・地域の家庭料理のレシピを盛り込んだ冊子「世界の料理いろいろ」が3月末、刊行された。松本市安原地区公民館(旭2)を拠点に活動する日本語学習サロン「日本語いろいろ」が編集・出版。中信地方で暮らす外国籍の女性たちが、文化交流への思いを込めて協力した。
コロナ禍で人と会えなかったり、旅行に行けなかったり。外食もままならない中、各国の料理で笑顔になってもらおうと、レシピ集が企画された。
「日本語いろいろ」活動メンバーのほか、松本市で店を営む外国出身者にも協力を依頼。少人数の料理教室を開き、完成した料理の写真を撮るなど、編集作業は業者に頼らず自分たちで行った。

9カ国10人の家庭料理紹介

レシピ集「世界の料理いろいろ」には9カ国・地域の10人の料理が収録されている。日本で材料を手に入れやすく、比較的簡単な料理が選ばれた。日本語学習サロン「日本語いろいろ」を運営する松本りかさん(松本市惣社)ら4人で編集し、資金は市民団体からの支援が助けになった。
アルゼンチン出身の掛野アナ・マリアさん(同市蟻ケ崎6)は、祝いの席で食べられる「エンパナーダ」とオートミールを使ったお菓子「ヌガトン」を紹介した。「エンパナーダ」は鶏肉やクミンなどを使ったスパイシーな焼き料理。つぶしたサツマイモを入れたり、揚げたりと、いろいろな応用が利く。

1年かけ完成第2弾計画も

フィリピン出身の野村ロセルダさん(36、同市野溝西3)は朝食に食べる「レリエノンタロン(なすのひき肉詰めオムレツ)」などのレシピを掲載。夏にぴったりのメニューだ。
レシピ集作りのきっかけは2020年1月、ベトナム出身のマイ・ティ・ハイ・イエンさん(36、塩尻市)らを講師に招いた料理教室だった。イエンさんはかねて「ベトナム料理を日本に伝えたい」と考え、料理のレシピを持っていた。冊子にまとめる案が浮上した。
その後、新型コロナ禍で集まることが難しくなった。旅行にも行けなくなったが、「料理を外国籍の人に親しむきっかけにしたい」と21年2月、レシピ集作りを本格化させた。
松本で店を持ったり料理教室を開いたりしている外国籍の人にも実演を依頼。料理の過程を撮影し、説明文を作った。講師の略歴などを通じて、背景にある文化が分かるよう工夫した。
1年余をかけて完成。第2弾の計画もある。松本さんは「レシピ集に載せた料理の教室を、公民館などで開いてみたい。きっと多文化共生への一歩になる」と期待する。

【「世界の料理いろいろ各国の家庭料理レシピ集」】日本語学習サロン「日本語いろいろ」の自費出版。B5判46ページ。500円。ベトナム、アルゼンチン、台湾、マレーシア、中国、タイ、フィリピン、ロシア、インドの9カ国・地域の料理21品を掲載。料理店や食材を入手できる店の情報も盛り込んだ。松本市内の「DOON食堂印度山」「ビベト」などで扱っている。問い合わせはメール(nihongoiroiro@yahoo.co.jp )で。