
桜、菜の花、チューリップなど春は花盛り。家の中にも花を飾れば、色とりどりの花に心が癒やされ、元気をもらえます。身近に花がある日常を提案している「花屋ことの葉」(松本市大手2)の井口尚子社長(46)に、花をすてきに生けるこつを教えてもらいました。

好きな花を買ってきたら、花瓶に合わせて長さをカットして飾りますが、花瓶に真っすぐ立てるだけではなく、少し遊んでみてはどうでしょう。写真(1)のように、広口の花瓶に水を多めに入れて、茎を花瓶の側面に引っ掛けるように生けると、目先が変わり、横に広がりが生まれます。また、写真(2)のように、短い茎の花でも、長い花瓶に生けることもできます。
写真(3)は、アリウムの細く曲がった個性的な茎を生かした飾り方の例。茎が映えるように、大きめの花を低く組み合わせます。オレンジ色の花瓶に合わせ白のラナンキュラスを生けました。赤や黄のガーベラなども合います。
写真(4)は花瓶を2つ組み合わせました。高さを変えたり、手前と奥に花瓶を配置したりして、奥行き感を出すといいです。時には思い切って茎を短く切ることがきれいに見せるポイントです。
写真(5)は、からし色のカーネーションと、白いヒペリカムを、広口の低い花瓶に生けました。高低差をつけ、少ない花でもどちらか片側にまとめて余白をつくるときれいです。
葉ものだけで生けてもかわいらしいです。写真(6)は、そこに黄色の丸いクラスペディアを加え、春らしい雰囲気に。透明なガラス花瓶だと夏っぽい涼しげな印象になります。葉ものは長持ちするので、花を替えて違う組み合わせで楽しむことができ、経済的です。
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花を飾るのは、直射日光が当たらない、目についてホッとできる場所に。毎日水替えのたびに茎を斜めに切り、切り口を新しくします。
暖かくなってくると、特に口が狭く細長い花瓶は熱がこもり、花が腐りやすくなるので注意しましょう。花と花瓶の組み合わせは無限です。自分が癒やされる花を選んで、いろいろ試して楽しんでみてください。
ことの葉TEL0263・32・8722