菓子とコーヒー会話大切に 大町で持ち帰り専門店

週末営業客との触れ合い糧に

大町市大町の持ち帰り専門店「菓子ト珈琲Pinto(ピント)」。地元出身のパティシエ板花清美さん(26)と、山形県出身でバリスタの夫・龍二さん(33)が昨年8月に開いた。来店客との会話を大切にしたいという思いから週末だけ営業し、触れ合いや出会いを糧に、親しまれる味の追求に余念がない。

幅広い客層目指して

中心市街地の六九町にある店は以前、喫茶店「ろっく亭」だった場所。できるだけ国産の材料を使い、県産の食材も取り入れる焼き菓子やケーキ類、山形市の焙煎工場から取り寄せた豆で入れるコーヒーなどを販売する。菓子に酒は使わず、ドリンクもコーヒー以外に多くの種類を用意するなど、子どもを含め、いろいろな人が利用しやすい店を目指す。
喫茶店時代のレトロな雰囲気を生かし、自前で改装した店内は、シンプルだが明るくぬくもりがある。親子連れや女性だけでなく、男性の1人客も皆、マスク越しに幸せな表情を浮かべて帰っていく。
「永遠にお菓子のことだけを考えています」と笑う清美さん。菓子を作って食べてもらうことが楽しく、好きな仕事に早く就きたいと、中学卒業後に大町を離れて東京の製菓専門学校に進み、通信制高校でも学んだ。卒業後は都内や長野県内の洋菓子店やカフェなどで経験を積み、独立の夢を温めていた。
そんな中、バリスタを目指して上京した龍二さんと出会い、二人で店を持ちたいと考えた。清美さんは「地元で開くイメージはなかった」というが、龍二さんが大町と周辺の自然や人を気に入った。開店後の昨年10月、二人は結婚した。

二人三脚で切り盛り

「きちんとお客さんと話せるように」との思いから、清美さんは営業中は店頭に立ち続け、菓子の仕込みや製造は営業日・時間以外に行う。龍二さんはコーヒー提供や菓子の包装など他の業務を担い、二人三脚で切り盛り。「うまいバランスでサポートしてくれて感謝」と話す妻に、夫は「楽しく自由にやってもらえれば、それが一番」と笑顔で返す。
店名は、龍二さんのカメラ好きから。「お客さんと僕たちの商品とのピントが合えばうれしい」と言い、「後付けですが、この味に“ピンと”きてもらえれば」。
「新たな出会いが圧倒的に多く、懐かしい土地ではあるが、新しい気持ちでのスタートだった」と清美さん。「また食べたい、おいしいからあの人にあげたくなる味」を追い続ける。
営業は金~日曜(祝日は不定)。午前10時~午後6時。TEL080・7830・2386。詳細は店のインスタグラムで。