【野遊びのススメ】#27 乗鞍BASEで「ジップライン」

一瞬の滑走気分はターザン  「エレメント」の楽しさも魅力

アウトドアアクティビティーが気持ち良い季節になってきた。大自然の風を思いっきり感じたい、そう思ったときに思い浮かんだのは、近年人気上昇中の「ジップライン」。県内でも白馬村などさまざまな場所で体験できるが、今回は松本市乗鞍高原(安曇)のアウトドア施設「乗鞍BASE(ベース)」で挑戦した。
ジップラインは、森の中や湖畔などに張られたワイヤロープを滑車で滑り降りるアクティビティー。特別な技術や知識を必要としない、手軽に楽しめる遊びだ。
乗鞍BASEのジップラインはアドベンチャーパーク内にあり、森の中に設置された一本橋や空中ブランコなどのエレメント(要素)と一緒にできる。
AとBの2コースあり、Aコースは10のエレメントをクリアした最後に、長さ50メートルのジップラインが待っている。Bコースは五つのエレメントと3本のジップラインで構成。9メートルの高さから83メートル滑走するジップラインで締めくくる。
今回、体験をサポートしてくれたのは、アドベンチャーパークのスタッフ、ターナー・スペンサーさん(27)。日本生まれ、日本育ちなので日本語はぺらぺら。米国の大学でアウトドア教育を学んだ後、乗鞍BASEで働いている。
スペンサーさんの指導の下、まずはハーネスとヘルメットを装着。命綱であるセーフローラーの使い方を教わった後、いざ樹上のアスレチックへ。
最初はAコース。高いところが苦手な記者だが、エレメントが楽し過ぎて、不思議なほど恐怖心が湧いてこない。最後に待ち構えるジップラインは長さ50メートル。緩やかなスピードで木々の間を疾走し、気分はターザンだ。
続くBコースは、スタート直後にある1本目のジップラインが50メートル、中間地点の2本目が70メートル。記者はこの2本目が印象に残った。森を飛び回る動物になった気分になれたからだ。
滑走している時に体が180度回転してしまい、背面からゴールすることが多かった。が、これがかえって楽しかった。360度見渡しながら疾走すると、森を独り占めしている気分になれた。
ジップラインの滑走は時間にしたら一瞬。だからこそ強烈に、滑走中の景観が脳裏に焼き付く。全国にはさまざまなロケーションのジップラインがある。方々に足を運んでみたくなった。

【乗鞍BASEジップライン】身長110センチ以上、体重20キロ以上であれば、小学1年生から可。持ち物は不要だが、スカートとサンダルは不可。午前9時半から30分おきに、10人ずつの人数制限で行う。ホームページで事前予約するのがお勧め。小学生2660円、中学生以上3660円。火曜定休。TEL0263・88・0300