信州大病院に「頭痛外来」が開設

頭痛だけど、医者にかかるほどなのか。そもそもどこの病院に行けばいいのか…。そんな悩みの持ち込み先になりそうだ。今月、信州大病院(松本市旭3)に開設された「頭痛外来」。紹介がなくても脳神経の専門医が診察し、最新の治療を施す。原因が脳以外と分かれば、他の専門医につなぐ。大学病院ならではの強みを生かした態勢で、頭痛の悩みを聞いてくれる。
今月中旬、脳神経外科の花岡吉亀(よしき)医師が、諏訪市から来た女性(45)と向き合った。
「事前アンケートを見ると、かなりお困りですね」「頭痛で人生の半分くらい損してます」。初回の診察は30分ほど続いた。
診察を終えた女性に話を聞いた。20年余り頭痛に苦しんでいるという。別の総合病院にかかったこともあるが、今も月に10日ほど、家事がつらいほど痛む。「頭痛が起きたら、と常に考えている」
大学病院の受診を考えたことはなかったが、この頭痛外来を知って予約した。「診察で自分の頭痛を深く理解できた。先生に『つらいよね』と言われ、『分かってくれた』と気持ちが楽になった。今後に期待が持てます」
この日は服用予防薬を処方され、次回の診察は来月となった。
頭痛はありふれた不調だ。そのためかえって、本人も周囲も「頭痛くらいで」と医療機関を敬遠しがち。服薬で治まる痛みも多い。
だが、脳腫瘍など深刻な病気が原因のこともある。また薬の飲み過ぎで頭痛がひどくなる「薬物乱用頭痛」に陥るリスクもある。医師の知見が十分でないケースもあるといい、花岡医師は専門医にかかる大切さを説く。
信大の頭痛外来は、まず脳神経内科や外科の医師が診察に当たる。診断によっては、眼科、耳鼻咽喉科、精神科などと連携し、幅広い頭痛に対応する。
診断が片頭痛となれば、昨年開発された予防新薬の治療を受けることもできる。
診察は、月、木、金曜を脳神経内科医が、水曜は脳神経外科医が担当する。完全予約制で、各日1~2人の枠は7月までいっぱい。かかりつけ医の紹介のほか、外来予約センター(TEL37・3500)で受け付ける。詳しくは同病院 = ウェブサイトへ。