初出展地元作家を紹介―クラフトフェアまつもと・クラフトスクエア

松本市街地などで開かれている「工芸の五月」のフィナーレとなるメインイベント、「クラフトフェアまつもと」が28、29日、あがたの森公園(県3)で3年ぶりに開かれる。今年は工芸品の展示のほかに、ワークショップ(WS)などもある「クラフトスクエア」がイオンモール松本(中央4)で同時開催。それぞれに初出展となる地元作家の2人を紹介する。

洗練された白い器―陶磁器・石曽根沙苗さん

石曽根沙苗さん(29、松本市大手)は、白い陶磁器を専門とする作家。憧れだったクラフトフェアへの初参加に、「どんなふうに作品を見てもらえるか不安もあるが、その場を楽しみたい」と話す。
手のひらに乗るような小さな一輪挿しや、おしゃれな雰囲気のゴブレット(脚と土台が付いたグラス)、ミルクピッチャーなど約300点を出展。曲線や全体のバランスを大切にした、洗練されたデザインが持ち味だ。
白色のみの器について「光の当たり方など、1日の中でも見え方や雰囲気が変わるのが魅力。生活の中でそんな発見を楽しんでもらえたら」。
小学生の時、近所の陶芸教室で器を作り、もの作りの楽しさを知った。松本第一高校の美術工芸コース(当時)を経て、岐阜県多治見市で陶磁器の技術を学び、「ceramic studio Wol(セラミックスタジオウォル)」のブランドで独立。「Wol」は韓国語で「月」を意味。存在感がありつつ、穏やかな月の雰囲気を作風にしたいとの思いから付けた。
当初は模様や色を付ける技法を用いたが、3年ほど前から白い器に特化した。周囲の反響も良く、花器を使った人の「子どもが野原で摘んできた花も映える」といった喜びの声がやりがいという。
クラフトフェアには何度か応募し、ようやく出展がかなった。「少し前進できたけどまだ未熟なので、皆さんに教わるつもりで参加したい。作品を手に取って見てもらい、そこから何かご縁がつながっていけばうれしい」。

その人だけの靴を―革靴・中山昌幸さん

「くつと足ナカマヤ」のブランドで活動する革靴作家の中山昌幸さん(46、松本市和田)。天然革を用いたルームシューズや靴のサンプル、端材を活用したアクセサリーなど約50点を展示するほか、キットを使ったルームシューズ作りのワークショップも開く。
中山さんのこだわりは、化学薬品を使わず、植物素材でなめした牛革で制作すること。イタリア・フィレンツェで1000年以上の歴史がある「バケッタ製法」で作られた革の中でも、繊維密度の高い「ダブルショルダー」を使う。
靴はくるぶし丈のデザートブーツと短靴の2種類。対面販売の受注生産のみで、足形や足の測定データを基に、足にフィットしたその人だけの靴を作る。
中山さんは以前、スノーボードで足を痛めてインソールを使うようになり、足の構造に興味を持ち、靴の大切さを実感した。自分で靴を作ってみたいと、靴作りの専門学校で学び、工房を構えて2019年から制作を開始。「おうち時間を豊かに」と、家で作れるルームシューズキットも開発した。
革は長く使うことができ、使う人の形になじんでくるのが魅力という。クラフトスクエアは昨年、初参加が決まっていたがコロナ禍で中止に。「初めて来場した人と直接話ができるので楽しみ。足の大切さも伝えられたらうれしい」
ルームシューズ作りは3色の革から選ぶ。キット代6000円と参加費1000円。随時受け付ける。

【第38回クラフトフェアまつもと】28、29日午前10時(29日は9時)~午後5時、あがたの森公園。陶磁器、木工、ガラスなど205組の作家が参加。雨天決行。松本クラフト推進協議会TEL0263・34・6557
【クラフトスクエア】28、29日午前10時~午後6時(29日は5時)、イオンモール松本の空庭(屋外)やまびこ広場、晴庭(屋内)かがやきコート、きらめきコート。約50組が参加し作品展示や実演、WS。雨天決行。イオンモール松本TEL0263・38・3200