湧水魅せられ松本移住―米国仕様スクールバスでカフェ

松本市清水の駐車場の一角に止まる、米国仕様の黄色いスクールバス。伊藤輝匡(てるまさ)さん(38)が始めたテイクアウトカフェだ。コーヒーの焙煎(ばいせん)士としてオンラインで豆の販売をしていたが、コロナ禍で生活を見直し、たどり着いたのが「湧水が豊富で自然と街とのバランスがすごくいい」松本での開業だった。
伊藤さんは愛知県豊川市出身。東京のホテルで調理の仕事などをしていたが、都会の生活に疲れ、大学時代を過ごした北海道に戻り焙煎コーヒーのカフェでバイトを始めた。
「ネルドリップをおいしく入れられないことが悔しくて何度も練習した」。興味があった焙煎も学び、埼玉県に移り自分の焙煎した豆をオンラインで販売する事業を始めた。
2020年、移住先を探して初めて訪れた松本は、街中に湧水が共存していることに驚いた。「街の人の(管理など)努力があるんだろうと感じた。これでコーヒーを入れたら面白い」。21年に移り住んだ。
カフェの準備に動き出し、店の雰囲気に合う米国のスクールバスでの営業を決めた。バスは、コロナ禍で輸送が遅れ、半導体不足による内装工事の遅れも重なり、1年かかって伊藤さんに届いた。3月から清水小学校近く(清水2丁目4の5)で営業を始めた。
店名は「エレナ・コーヒー・ロースターズ」。エレナはラテン語で生命力や太陽の輝きという意味がある。世界中で女の子の名前としても使われる。
自家焙煎のドリップコーヒーはブラジルの豆をメインに全て湧水で入れる(450円~)。カフェインレスコーヒーやクラフトコーラ、添加物や白砂糖をほぼ使わずに無農薬レモンを使ったレモネードもある。伊藤さんは「焙煎を良いあんばいにすると豆の味や甘さを感じられる。ふわっと鼻に抜ける香り、優しいコーヒーを味わって」。今後スイーツなども増やす予定だ。
午前11時~午後5時。月、火曜定休。