【ガンズリポート】マッチレビュー 10節・5月29日山雅2-1今治

ルーキー初得点 貪欲さ際立ち主力に

松本山雅FCの大卒1年目、菊井悠介が初得点を決めた。「ここまで長かった」と話す22歳は、今季のリーグ戦10試合すべてに出場し、この日で8戦連続の先発。「(得点機の)シーンをもっと増やしたい」と、今や中心選手になったルーキーは、貪欲に次の結果を目指す。
登録はFWだが、主にMFで起用されている。前半38分の得点シーンは定位置の中盤から、敵陣深くで相手ボールを追った。「タカ君(MF前貴之)が練習中から守備が得意なんで、奪いに行ってくれるんじゃないかと」。息の合った動きで相手を追い込み、苦し紛れのパスを奪った。
練習では笑顔が多く、仲間と積極的にやりとりする。それが生きた。
「(無得点でも)ポジティブな声援を送ってくれていたので、体が勝手に向かった」。広告看板を乗り越え、ゴール裏のサポーターの前で、胸のエンブレムをたたいた。
AC長野パルセイロとの信州ダービー後に言っていた。「アシスト、得点が自分に付かないと満足できないし、チームの無得点も自分のせい」。エゴを隠さず、0─0で引き分けた責任を背負い込み、2週間後にその鬱憤(うっぷん)を晴らした。
大阪府出身。流通経大から入り、途中出場した開幕戦で豊富な運動量をアピール。3試合目から先発の座を譲らない。
「ゴール前で違いの出せる選手」と名波浩監督。数字にこだわる菊井の心情を見透かしたように、「試合前にメンバー表を目にした時、(通算得点数欄に)『1』が入るとメンタルが変わってくると思う。さらに飛躍してほしい」と期待を込めた。