柔道整復師の木谷那津さん 教員目指して整骨院で修業

部活動を頑張る子支えたい

塩尻市大門桔梗町の「川窪整骨院」で、4月から働く柔道整復師の木谷(きたに)那津さん(27、松本市野溝西)の本当の夢は「高校の先生になること」。体に関するスペシャリストになってから教壇に立ちたいと、仕事を通して勉強に励んでいる。異色の挑戦を理解してくれる職場や同期の支えも、心強い後押しになっている。

けがをケアできるように

東京都出身。中学まで器械体操をし、高校ではバスケットボール部のキャプテンを務めた。部活動の練習メニューやトレーニングの方法、独学で学んだテーピングの巻き方などを部の仲間に教え、相手の成長を実感。「教えることが楽しい」と感じ、教員を志した。
信州大教育学部に進んで学ぶ中で、ただ教えるだけでなく「子どもがけがをした時にケアできたり、部活動を頑張る子を支えられたりする教員になりたい」と思うように。
卒業後、「さらに人体について学びたい」と都内の専門学校に入り直し、柔道整復師の資格を取得。学んだ知識を実際に生かすため、教員採用試験を受ける前に整骨院で働きたいと、大学時代を過ごして暮らしやすく、豊かな自然や星空の美しさが気に入っていた信州に戻った。
高校時代の体育の恩師が、スポーツトレーナーを経て教員になった人だったため、トレーニング法や体の構造に詳しく、よく教わった。木谷さん自身も足首をねんざしたり、膝を痛めたりするなどけがが多く、治療を受けるまでの応急処置の方法が分かれば…と痛感したことも、遠回りとも思える道を歩む理由になった。

職場の理解や応援に感謝

現在は整骨院で、手技で患者の筋肉をもみほぐしたり、リハビリやストレッチの施術をしたり。同時期に勤めた柔道整復師の倉田奨陽さん(21、辰野町)と、休憩時間に互いの手技を確認し、テーピングを巻き合って練習するなど、切磋琢磨している。
木谷さんが教員を目指すと知った上で、受け入れた川窪武志院長(41)は「探究心が旺盛で、よい意味で遠慮しない。分からないことはすぐに聞いてくる姿勢が頼もしい」と評価。「将来別の職業に就いても、子どもたちに希望を与える存在になってほしい」とエールを送る。
3年間は同院で働き、経験を積むつもりという木谷さん。その後を見据え、教員採用試験の勉強にも力を入れなければならないが、「自分の思いを理解し、応援してくれる職場に感謝でいっぱい」と話す。