出産から半年で職場復帰輿莉菜さん 社内託児所を活用して

長男奏翔(かなと)ちゃん(1)の出産から半年で職場復帰した松本市の輿莉菜さん(24、和田)。社内にある託児所を利用しながら、仕事と育児に取り組んでいます。
★転職~出産
新村で生まれ育った莉菜さんは、翔馬さん(32)と2019年に結婚します。車好きの翔馬さんは、泉カーサービス(島立)社長の吉澤怜一さんと仲が良く、結婚を機に家族ぐるみの付き合いがスタート。同社で車を購入した縁もあり、莉菜さんは吉澤さんから入社を誘われます。
莉菜さんはそのとき別の会社で働いていましたが、車を通して人と関われたり、さまざまな資格を取得できたりする職場に魅力を感じ転職を決意。2020年4月に入社します。
「さあこれから」という時、妊娠が分かります。吉澤さんに報告すると、祝福とともに「これを機に社内に託児施設を作ろうと思う」と言われます。
「入社早々で心苦しかったけれど、温かく受け入れ、思いがけない提案もしていただき本当にうれしかった」と莉菜さん。
同年10月に奏翔ちゃんを出産し、昨年4月に復帰。8月から保険会社に出向し、会社と行き来しながら自動車保険について学んでいます。これまでに6種類の資格を取得しました。
★日常
勤務は午前9時~午後6時のフルタイムで週5日。出勤日の朝は、子どもと自分の弁当、子どものおやつを持って出社します。
託児所は社員の休憩所と同じ2階にあり、現在は男女の社員計3人が利用しています。保育士は当初の1人から2人に増え、子どもたちはほぼ毎日散歩に出かけています。
莉菜さんは昼休憩で2階へ上がると、先に昼食を済ませた奏翔ちゃんと、ひととき一緒に過ごします。
「休憩後のお別れがつらいけど、同じ建物内にいられると思うと安心して戻れます。保育園との違いは、ママが仕事を休むと子どもも休みになること。平日に1人で行く用事があるときは、実家の母を頼っています」
★家族の時間
会社は年末年始以外無休。土日曜・祝日は託児がありません。莉菜さんはできるだけ家族3人で過ごせるよう、土日のどちらかは休みを希望し、出勤日は翔馬さんが子どもの面倒を見ています。
奏翔ちゃんは午後8時半に寝る規則正しい毎日です。その後は夫婦それぞれが好きなお酒でくつろぐ晩酌タイム。莉菜さんは「生活リズムが整っている息子と、毎日子どもとお風呂に入り、ご飯を食べさせてくれる夫に感謝しています。たくさんの可能性に満ちた息子には、いろんなことにチャレンジしてほしい。親としてそういう機会を与えられるよう、力を合わせて支えていきます」。