【ガンズリポート】シゴトを語る #6 ユースアカデミーGKコーチ・本間康貴さん

GKの面白さ教えて育てる

山雅の選手育成組織「ユースアカデミー」には現在、ジュニア(小学生)からユース(高校生)までGKが17人いて、主に僕ともう1人で指導しています。一番のミッションは、プロ選手を輩出することです。
去年、神田渉馬が最初の1人になりました。高3の時、トップ(プロ)での下積み生活を想像するように言いました。練習試合にも出られない時期が続くかもしれない、と。大学で試合経験を積む選択肢もありますが、クラブがトップ昇格を決め、本人もその道を選びました。

選手の将来考え

ジュニアからジュニアユース(中学生)、ユースと昇格させる選手を選ぶのも、僕の役割です。ポジションが一つしかないGKは、試合の出場機会が限られる。一人一人の将来を考えて悩みます。
GKはミスがそのまま失点につながり、周りからいろいろ言われやすい。技術もメンタルも、どこに行っても通用する選手を育てたいと思っています。
現役だった2007年、山雅の対戦相手(徳島ヴォルティス・アマチュア)としてアルウィンでプレーしました。観客席にたくさんのフラッグが並び、サポーターがタオルマフラーを振り、応援歌を歌っていました。選手にとって最高の雰囲気で、0─4で負けたのに、すがすがしい気分でした。山雅のゴール裏へ、お礼に行ったのを覚えています。
11年にトップチームのGKコーチとして山雅に来ることになり、その時の気分を思い出し、恩返しするという思いも湧きました。

地域での普及も

16年にトップからアカデミーの担当になり、地域での普及にも携わるようになりました。GKの役割を理解してもらうために「もしGKがいなかったら」という話をします。めちゃくちゃな点の取り合いになるか、互いにゴール前を固めて動かないか、です。GKがいるから、サッカーは面白いんです。
20年前の、パラグアイ代表GKのチラベルトさんの発言から、松本にプロチームをつくる動きが盛り上がったと聞くなど、GKは山雅とゆかりが深く、歴代の正GKも人気を集めてきました。
そのポジションに、アカデミー育ちの選手が立つことになれば…。地域の盛り上がりや、ゴール裏との一体感が一段階、上がるんじゃないでしょうか。アカデミーの魅力も増すと思います。