子どもの遊びには勝ち負けを付けるものがたくさんあります。鬼ごっこもトランプも勝ち負けがつきものです。
ところがお子さんの中には、ある程度年齢が大きくなっても、負けると大騒ぎして怒ってしまったり、泣いてしまったりする人がいます。
負けず嫌いと言ってしまえばそんなものですが、学年が上がっても負けるたびに怒ってしまう行動が目立ってくるとだんだん同世代の仲間から引かれてしまうこともあります。
「慣れていくしかない」と繰り返し勝ち負けのある遊びに強制参加させられると、「負けると怒る」というパターンが、定着してしまうこともあります。本人が「負けるのが嫌だから勝ち負けのある遊びはしたくない」と言うなら、しばらくは勝ち負けのある遊びを避けて、創造的な遊びや協力する遊びを楽しむ時期と割り切ることも必要でしょう。
負けると怒ってしまったり、泣いてしまったりするお子さんは、「絶対に勝つ!」というイメージが強過ぎて、負けたときどうすればよいかが思い描けていない場合があります。
こういう場合は、刺激の少ない環境で、大人と一対一という場面をつくり、簡単に勝負が付く遊びをしながら負けても怒らない練習をしていくのもよい方法です。
負けた時の振る舞い方として(1)「悔しい!」とじだんだを3回踏む(2)相手に「おめでとう」と言う(3)「もう1回やろう」と言うーといったマニュアルを用意して、遊ぶ前に一緒に確認しておくのがこつです。そして勝ったり負けたりを繰り返し、勝っても負けても遊ぶこと自体が楽しかったという経験を積んでいきます。
刺激の少ない場所と設定でこうした練習を重ねていくことで、負けても爽やかに振る舞えて、本人も楽しめることを身に付けていけるとよいでしょう。
【なないろキッズ】 #73 負けず嫌いで苦労する
- 2022/06/28
- 小児科医・新美妙美のなないろキッズ