心も体も健やかに明るい毎日を支援

多彩な切り口で健康づくりを

「速く動くのは簡単。ゆっくり動いて体をコントロールして」
松本市島内のレジャー施設「ラーラ松本」。インストラクター小林美穂さん(54、今井)が5月末、「はじめての太極拳」教室で受講者約25人を指導した。「相手の攻撃を防御して、こう返して」と動きの意味も伝える。
教室は、フィットネスに携わるインストラクターが立ち上げたNPO法人「CFM実行委員会」が関わるプログラムの一つだ。CFMは「チャリティ・フィットネス・まつり」の頭文字。イベント開催を機に2013年に結成された。小林さんが理事長を務める。
コロナ禍で運動習慣が途切れ、心の病を抱る人が増える今こそ「健康づくりを手伝いたい」と活動するCFM。小林さんに話を聞いた。

苦しむ人のため同業6人が団結

2013年に発足したCFM。活動の芽は10年にある。
個人でチャリティー活動をしていた県内各地のフィットネスインストラクター6人が「被災者や難病の人への支援や、住んでいる地域に役立つことをしたい」と団結。小林美穂さんを代表に実行委員会を結成し「チャリティ・フィットネス・まつり」を開いた。
初年度は県内4カ所でまつりを開催、上田市にAED(自動体外式除細動器)を寄贈した。翌11年は東日本大震災と県北部地震が起き、被災した栄村に寄付を、12年にはCD装置の寄贈や出張ダンス教室を実施。13年は長野市のNPO法人への支援を行い、活動を続けるためNPO法人のCFMをつくった。
法人化のもう一つの目的は、インストラクターの連携だ。多くの人は企業に属さない「個人事業主」のため、病気やけが、出産などがあると、仕事の継続が難しくなる。
小林さんは太極拳のほかエアロビクス、ジャズダンス、介護予防運動…など、さまざまな指導活動を長年やってきた。その経験から「情報や知識を共有し、助け合える連携が必要と考えていた」。思いを組織化で実現した。
現在は運動に関する資格だけでなく、看護師、産業カウンセラー、管理栄養士など、さまざまな資格を持つ講師26人を登録。公民館などでの細やかな運動指導や、市町村や企業と連携したプログラムの企画・運営など、活動が広がった。

コロナ禍苦境も工夫し乗り越え

運営は順調だったが、コロナ禍でイベントや教室の中止が相次ぎ、活動が停滞した。CFMだけでなく、個々の仕事や活動の場も消え「苦しい状況だった」と振り返る小林さん。そんな中でもインストラクター同士で情報を提供し合い、オンライン活用の方法を教え合ったり、動画を撮り合ったりした。「組織の心強さを実感した」という。
新型コロナ第6波のピークが過ぎたとされる今春以降、多くのスポーツ施設などが動き出し、太極拳教室も3月初めに再開した。中断前からの生徒に加え、体を動かす必要性を感じて新たに始めた人もいる。受講者からは「体力が落ちた」「バランスを取ることが難しくなった。また一からやり直し」との声も漏れる。
「遠くの施設に行くより、身近な場所で気軽に運動したい」という人にも運動を届けようと、地域の公民館などで活動してきたCFM。だが「そんな人たちが外出を控え、身に付けた運動習慣から遠ざかっている」と小林さんは感じる。
「心と体の健康はどちらも大切。運動だけでなく、心を癒やしたり音楽を聴いたり、いろいろな面から健康にアプローチしたい」と、さまざまなイベントも再開。健康づくりに向けて、思いも新たに動き出した。相談・提案にも応じる。