居酒屋「まろ」常連客らカルテットデビュー演奏会

居酒屋から生まれた弦楽四重奏団-。松本、安曇野市など県内の演奏家でつくる「カルテットM」の演奏会が17日、松本市音楽文化ホール(島内)で開かれる。
結成のきっかけはユニークだ。同市の居酒屋「まろ」(中央2)が開店40周年を迎えた2020年、常連客の演奏家仲間から「40周年を機にカルテットをやりたい」との声が上がり、チームをつくり練習を続けてきた。
昨年7月に、1年遅れで開いた40周年記念コンサートは、店の客や関係者の知人らに声をかけた“内輪”の会。今年は一般に来場を呼びかけ、本格的な「デビューコンサート」となる。
団名の「M」はまろのアルファベットの頭文字だ。「(まろの)50周年まで、みんなで頑張ろう」。演奏者や、活動を支えるスタッフは意気盛んだ。

店の40周年に合わせ結成

「その(楽器の)音が出ていないよ」
「演奏の仕方にもっとめりはりを付けて」
6月29日、松本市音楽文化ホールで行われた弦楽四重奏団「カルテットM」のリハーサル。演奏者やスタッフが注文を付けて修正し、本番を見据えた。
メンバーはバイオリンの深沢厚さん(62、同市岡田松岡)、佐々木孝子さん(安曇野市三郷温)、ビオラの大庫るいさん(駒ケ根市)、チェロの大崎輝彦さん(70、伊那市)。それぞれ、フリーか地域で子どもたちの指導に当たったり、楽団に参加したりし、音楽活動を続けている。

Mの結成は、加藤久雄さん(70)が中町通り近くで営む「まろ」が開店40周年を迎えた一昨年だ。5人ほどが座れるカウンター席と小上がりの小さな居酒屋。京都市出身の加藤さんは信州大農学部を卒業後、3年間働いた企業を退職し「これならできるか」と1980年に始めた。学生時代からの愛称が、そのまま店名に。店主の気さくな人柄や会話の楽しさに引かれる「まろファン」の輪を広げてきた。
大崎さんと深沢さんは古くからの常連客。大崎さんと大庫さんは、参加していた伊那のカルテットが20年春、「コロナ禍でバイオリンの2人が活動できなくなり」(大崎さん)休止し、新たな活動を模索していた。そこに、高校の音楽教師だった深沢さんが退職。「退職したらカルテットをやりたいと思っていた」という深沢さんは「(結成に向け)タイミングが合った」。一緒に活動したことがある佐々木さんを誘い、四重奏団ができた。4人は同年6月から月2回、大崎さん宅へ集まり練習を続けてきた。
店の40周年に合わせて結成されたカルテットMに、加藤さんは「40周年という節目に、たまたま幾つかの要素が合体して形になった。自分たちの演奏をやりたいという(メンバーの)思いは素晴らしい」と話す。

17日の演奏はハイドン、ボッケリーニ、モーツァルトの弦楽四重奏曲。「弦楽四重奏曲ト長調K.80」はモーツァルトが1770年、14歳の時に旅先のイタリアで書いた作品だ。「弦楽四重奏曲の初期の作品から順番に演奏する。まだ成熟していない時期の曲などを知る面白い企画です」と佐々木さん。
松本市音楽文化ホール小ホールで午後2時開演。入場料1000円(高校生以下無料)、全席自由。問い合わせはメール(projectmxyz@gmail.com)で。